2018年 4月 27日 VOL.104

『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の興行収入が13億ドルを突破!
~フォースはスター・ウォーズと共にある~

撮影監督 スティーヴ・イェドリン (ASC)、スペシャルQ&A

Photo: Jules Heath. Ⓒ2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

コダックの35mm、65mmフィルムストックを使用した『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は本稿執筆の時点(2018年2月)で、全世界において13億ドルの興行収入を上げており、その総額はさらに上がり続けています。

『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は、2017年で最も興行収入の高い映画となりましたが、この総額は歴代のすべての映画の興行収入の中でも9位を占める驚くべき数字で、『スター・ウォーズ』シリーズの中では、J・J・エイブラムスが監督し、全編をコダックのフィルムで撮影した『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015年、撮影監督はダン・ミンデル BSC、ASC)の20億ドルに次ぐ、2番目に高い記録となりました。

Photo: Lucasfilm Ltd. Ⓒ2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

監督のライアン・ジョンソン、撮影監督のスティーヴ・イェドリン(ASC)、ルーカスフィルム/ウォルト・ディズニー・ピクチャーズの制作で生まれた本作では、フォースを持つ明らかな兆候を見せる若い女性レイとの出会いによって、ルーク・スカイウォーカーの孤独な暮らしが壊される様子が描かれます。一方、カイロ・レンとハックス将軍が率いる組織ファースト・オーダーは、銀河における支配権をめぐり、レイアと同盟軍レジスタンスに対して徹底的な砲撃を仕掛けます。レイは撃破される前にレジスタンスをサポートするため、ジェダイ・マスターを隠遁から抜け出せさせることができるのでしょうか?

Photo: Jonathan Olley. Ⓒ2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

スカイウォーカーのいくつかの隠遁地の外観、それに関連するアクションシーンは、アイルランドのシュケリッグ・マイケルで、制作準備段階の2015年9月に撮影されました。本格的な撮影が始まったのは2016年2月で、撮影を行ったイギリスのパインウッド・スタジオでは、多くの007のステージを含む14のサウンドステージに125のセットが作られました。また、撮影はイギリスのロングクロス・スタジオに作られたセットにも及びました。さらにその後は、夕暮れ、そして夕暮れから夜にかけてジェダイの隠遁する島の外観が、アイルランドのウエストコーストに上下するたくさんの岬で、主要スケジュールのうち約2週間にわたって撮影され、真夜中の屋外の撮影はパインウッド・スタジオとロングクロス・スタジオで行われました。さらに、クロアチアのドゥブロヴニクでも撮影が行われ、惑星クレイトでのバトルシーンのロケーション撮影は、ボリビアのウユニ塩湖で行われました。撮影が終了したのは2016年の7月末でした。

Photo: Film Frames Industrial Light & Magic/Lucasfilm. Ⓒ2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

コダックのためのスペシャルQ&Aインタビューにおいて、撮影監督のスティーヴ・イェドリン(ASC)がこの記録的な作品における彼の仕事についての見解を提供してくれました。

Q:なぜ『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の制作に携わることになったのですか?


A:ライアンと僕は18歳のときから一緒に映画を作ってきました。始まりは自分たちで制作したちょっとした短編でした。以来、僕はコダックのフィルムで、彼の全ての劇映画を撮ってきました。『BRICK ブリック』(2005)、『ブラザーズ・ブルーム』(2008)、『LOOPER/ルーパー』(2012)がそうで、そして今回の『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』です。

左から、ライアン・ジョンソン監督、フィン役のジョン・ボイエガ、ポー・ダメロン役のオスカー・アイザック Photo: David James. Ⓒ2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

Q:今回の制作について、どのような点に魅力を感じたのですか?


A:『スター・ウォーズ』は、感情をかき立てる作品で、僕の子供時代の一部でもありました。いつも本当の魔法のようでした。それにライアンと仕事をすること以上に最高なことはありません。今回の制作は『スター・ウォーズ』とライアンが一体となったもので、これ以上にワクワクすることはありませんでした。

フィン(左、ジョン・ボイエガ)とキャプテン・ファズマ(グウェンドリン・クリスティー)の戦闘シーン Photo: Lucasfilm Ltd. Ⓒ2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

Q:制作が始まる前に、創作の参考にしようと思った作品はありますか?

A:ライアンと僕は本当に長いこと一緒に仕事をしているから、いわば自動的に同じページを開いて、ハイレベルで抽象的で、インスピレーションを与えてくれたり、哲学的だったりするものを引用して、コミュニケーションができます。

だから、そういったコミュニケーションは最初に手っ取り早く済ませてしまって、その後は腕まくりをして、それぞれのシーンとショットの構想と創作上の本当に細かい部分に取りかかるのです。

今回の制作で参考にした作品は、ライアンと僕にとってコミュニケーションの中心とはなりませんでした。けれども、ほかの制作者たちとコミュニケーションを取るときに頻繁に用いたのが『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』(1980)でした。けれども、そうであったとしても、そのまま模倣しようというようなことはありませんでした。どちらかというと、“インスピレーションを与えてくれた”と言う方が正しいかもしれません。

Photo: Lucasfilm Ltd. Ⓒ2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

Q:ライアンと初めて作品について話し合ったとき、作品の“ルック”をどのように心に描いていましたか?


A:視覚的にどのようにアプローチしたいのか初めてライアンと話したとき、彼は「これまでの作品を模倣するような選択はしたくない」と言っていました。

もしも僕たちが刺激的なビジュアルで、できるかぎり最高の物語を伝えたいのなら、自分たちが最高だと思ってきた創作の方法から離れなければいけませんでした。そして後悔しないためにも、自分たちの決定を、異なった時代に異なったストーリーで実現したであろう人を思い浮かべて比べてみました。それにライアンは、僕たちの個人的な映画制作のスタイルと視覚的な物語の伝え方の原則は、伝統的な『スター・ウォーズ』のスタイルからそれほど離れていないと思っていました。だから、それほど大きな動揺ではありませんでした。

Photo: Film Frames Industrial Light & Magic/Lucasfilm. Ⓒ2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

Q:準備/制作準備段階にどれくらいの時間を費やしましたか?


A:まとまった準備期間は約半年です。でも、それ以前に断続的な準備期間が数ヶ月ありました。

Photo: Lucasfilm Ltd. Ⓒ2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

Q:撮影にかかった時間はどれくらいでしたか?また、どんなスケジュールでしたか?
 

A:撮影期間は約100日間です。それくらい長い撮影だったにもかかわらず、驚いたことに疲れていません。本当に楽しかったし、ライアンがどんな瞬間もそのような喜びに変えてくれました。あとは、ほとんど毎日10時間を制作に時間を費やしていました。ほかの作品で働いていた時間より1週間で働いていた時間は数時間短いけれど、開始時間がほとんど毎日同じ時間だったということでもあります。体と心が固定されたスケジュールになじんでいって、絶えず変化する撮影のスケジュールで動いていたときよりも、常に心地よい気分でした。

Photo: Jules Heath. Ⓒ2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

Q:どんな機材で撮影しましたか?


A:コダックの35mmフィルムにデジタルカメラを織り交ぜて撮影しました。だけど、厳選したいくつかのシーンではIMAX(コダックの65mm 15パーフォレーション)とデジタルのラージフォーマットで撮影しました。

ルーク・スカイウォーカー役のマーク・ハミル Photo: John Wilson. Ⓒ2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

Q:アスペクト比とレンズは何を選択しましたか?


A:アスペクト比は2.39:1、PanavisionのGシリーズ・アナモフィックレンズ、AWZ(40mm-80mm)、ATZ(70mm-200mm)のズームレンズ、それからカスタマイズしたCシリーズのクローズフォーカスレンズ(50mm)、そして元々は180mmの球面レンズだったものを360mmのリアアナモフィックレンズにして使用しました。僕たちはアナモフィックレンズと球面レンズを組み合わせることが多く、こうした際にはPanavision Primoの14mm、17.5mm、27mm、それにPMZの19-90mmレンズを使っていました。IMAX MSMカメラでは、改造した中判のレンズを使いました。主な供給元はロンドンのPanavisionでしたが、ARRI RentalやIMAXからも追加のカメラ機材を提供してもらいました。

カイロ・レン役のアダム・ドライバー Photo: Lucasfilm Ltd. Ⓒ2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

Q:フィルムは何を使用しましたか?


A:コダック VISION3 5219 500Tとコダック VISION3 5207 250Dで、大部分は35mm、4パーフォレーション、あとは65mm、15パーフォレーションで撮影しました。

 

Q:特に好まれているフィルムの価値は何でしょうか?


A:伝統的な密着焼き(カメラネガを密着させて焼きつけたプリント)から生まれる“ルック”の複雑で映画的な豊かさが好きです。それはシャドウの長い足とか、ハイライトの長い肩とか、肌の複雑なトーンや、とても芸術的な色の表現なのです。しかし、その密着焼きの“ルック”を生み出そうとしてフィルムをスキャンしても、すぐに使える解決策があるわけではありません。ですので全てのフィルムストックとカメラが単一のニュートラルな空間に継ぎ目なく持ち込めることを確認することが、準備の段階で綿密なカラーサイエンスを行った理由のひとつなのです。そこから伝統的な密着焼きに着想を得た完成形の“ルック”を創り出しました。

レイア・オーガナ役のキャリー・フィッシャー Photo: Lucasfilm Ltd. Ⓒ2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

Q:どこの現像所を利用しましたか?


A:ロンドンのCinelabでは35mmネガの現像をしました。Fotokemでは65mmネガの現像と35mmと65mmネガのスキャン、そしてデイリーと編集用ファイルも作りました。

 

Q:カメラの動きについては、どのようなアプローチをしましたか?


A:ライアンと僕は偶然やごた混ぜの中からよりも、きちんとした構図から物語が語られる確信的なショットの方が好きなのです。僕たちは、常にステディカムよりも台車やクレーンを使おうとしていたし、ステディカムを使うときは実際にそのショットを撮るために本当に必要なときだけでした。こうした制限があったから、手持ちでの撮影をするときには単調な映像にならず、大きなインパクトを作り出すことができました。
 

カイロ・レン役のアダム・ドライバー Photo: Film Frames Industrial Light & Magic/Lucasfilm. Ⓒ2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

Q:照明には全体的にどのようなアプローチをしましたか?


A:照明の基本的な原則は、いわゆるライアンが「演劇のリアリズム」と呼んでいるものだと思います。これは単に哲学、主義であって、方法ではありません。私たちは物語を理屈抜きに感じられるまでに高めようとしていて、物語の中で起こっていること(テーマ的にも文字通りにも)に触発された豊かで想像力のあるイメージを作り出そうとしています。つまり、一方で、ただひたすらに現実的なスタイルを追究しているのではなく、人工的な形式主義よりも、シーンからこみ上げてくる喚起を求めて努力しているのです。

僕たちは膨大な数のARRIのスカイパネルを使用しましたが、おなじみの18Kや20Kも、もっとコンパクトな従来の機材も使用しました。アイライトには、コンシューマー向けの格安のスクープライトも使って、ガファーのデイブ・スミスは、既成のミディアムベースのソケットを使う代わりに、LEDテープ(ときには2色、ときにはタングステン)を使えるように改造しました。

Photo: Lucasfilm Ltd. Ⓒ2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

Q:映画的な観点から特にお気に入りのシーンはありますか?


A:美しいコラボレーションによって生まれたこの作品の中には、本当にたくさんの好きなショットやシーンがあります。この作品は、単に僕や僕の部門だけではなくて、ライアンの構想やILMのすばらしい芸術性やプロダクション・デザイナーのリック・ハインリクスや彼のチームの見事な仕事によって生まれました。

だけど、自分のパートに限って話すなら、ガファーのデイブ・スミスとともに作り上げた照明でいちばん気に入っているシーンが、鉱山のコントロールルーム(ドアに穴が開いたあと)です。このシーンならではのドラマがそのセットで繰り広げられて、それがとても好きでした。薄暗くてジメジメしたコントロールルームの内部の照明が、ドアに開いた穴から注ぎ込むまぶしい太陽の光と共にあるのです。

レイ役のデイジー・リドリー Photo: Lucasfilm Ltd. Ⓒ2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

Q:セットではライアンと一緒にどのように働いていたのですか? 彼はカメラの傍ら、もしくは“ビデオ村”から指示を出すのですか?


A:ライアンは僕たちスタッフのみんな、そして役者たちにとって大きな存在で、いつもそばにいるような気がしていました。ときには、まさに文字通り、カメラの傍らに立っていました。我々には巨大な“ビデオ村”というものはなく、最小限必要なものだけをセットした場所があっただけです。スタンドに載せたモニターはカメラのすぐそばにあるから、彼がそこに立てば、カメラの傍らに立っているということになります。本当に簡素なセットで、その周りに多くの人々が集まっているということもなかった。ライアン、脚本のスーパーバイザー、そしてときには僕やVFXのスーパーバイザーだけということもよくありました。もし他の部門、メイクや衣装やスタントやVFXなどが従来のような“ビデオ村”を必要とするなら、ライアンのモニターとは別の場所に設置されるでしょう。

ハックス将軍役のドーナル・グリーソン Photo: David James. Ⓒ2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

Q:最後に、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』を撮影するという経験はいかがでしたか?


A:素晴らしくて、摩訶不思議な経験でした。ライアンは紳士だし、彼の意思決定の基本姿勢は、穏やかで幸せでストレスフリーな舞台を作ることだったから、皆が家族みたいでした。まるで家にいるかのようでした。

(2018年2月17日発信 Kodakウェブサイトより)

『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』

 原 題: Star Wars: The Last Jedi
 製作国: アメリカ

 配 給: ディズニー

 公式サイト:
​ https://starwars.disney.co.jp/movie/lastjedi.html

 

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