2013年 7月 31日 VOL.022

あの『ローン・レンジャー』が再びスクリーンに!

『ローン・レンジャー』は1933年にラジオドラマとして誕生して以来、日本でも評判となったテレビドラマシリーズや、これまでに3回映画化されている人気作品です。この夏、『パイレーツ・オブ・カリビアン』3部作でタッグを組んだ、制作ジェリー・ブラッカイマー氏と、監督ゴア・ヴァービンスキー氏により、『ローン・レンジャー』は大スクリーンにカムバックします。

 

復讐に燃える“悪霊ハンター”のトントをジョニー・デップが、そのトントが死の淵から甦らせた正義のヒーロー、ローン・レンジャーをアーミー・ハマー(『J・エドガー』, 『ソーシャル・ネットワーク』)が演じる本作は、最高の制作チームによる大エンタテインメントです。

 

ジョニー・デップ(左)とアーミー・ハマー
Photo by Peter Mountain – © 2013 - Disney Enterprises, Inc. and Jerry Bruckheimer Inc. All Rights Reserved.

撮影監督を務めたのは、『Mr.&Mrs.スミス』や『ロック・オブ・エイジズ』で知られるモンテネグロ出身のキャメラマン、ボジャン・バゼリ氏(ASC)で、ヴァービンスキー監督とは『ザ・リング』('02年ナオミ・ワッツ主演)以来、2回目のコラボレーションになります。撮影は、ジョン・フォードの西部劇のロケーションとして有名なモニュメント・バレーを始め、ユタ州モアブ、アリゾナ州キャニオン・デ・シェリー国定公園、ニューメキシコ州ハーレー、コロラド州デュランゴと、暑さの厳しいアメリカ西部各地で行われました。

 

撮影監督ボジャン・バゼリ氏がフィルムを選んだ理由

「第一に、フィルムキャメラはシンプルです」とバゼリ氏(写真左側)は語っています。「マガジンとレンズがあって、あとは撮るだけという、これ以上シンプルなものはないでしょう。第二に、キャメラの台数の問題です。屋外のアクションシーンでは平均して3~5台、多い時は7~8台のキャメラで同時に撮影することが求められていたんです。第三に、最も重要な点ですが、ルックです。フィルムによる日中の屋外撮影のルックは、デジタルでは得られません。フィルムに似たルックを作ったり、DIでフィルムのカーブを再現したりすることは出来ても、フィルムが露光・現像される過程で起こるフォトケミカルなものはデジタルでは絶対に再現できないんです。 

撮影監督 ボジャン・バゼリ(ASC)
Photo by Peter Mountain – © 2013 - Disney Enterprises, Inc. and Jerry Bruckheimer Inc. All Rights Reserved.

また、昼光下のシーンで"デジタル特有のクリーン"なルックが目立つのを避けたかったのです。クリーンなルックは求めていましたが、フィルムだから撮れるアップや質感のクオリティが同時に必要なんです。基本的に、フィルムならキャメラで撮影した時点でそういったものが全て得られます」 

 

Panavision Cシリーズ アナモレンズへのこだわり

ベゼル氏は適切な状況下ではデジタルで撮影することに異論はなく、実際、本作でも多くの夜のシーンや暗い室内のシーンがデジタルで撮影されています。しかし一方で、スタントや追跡シーンの多い本作では、デジタルで早いパンを行った時に生じる不自然な画像が潜在的な問題に成り得たと指摘しています。また、屋外撮影時に光量を下げるために必要となるNDフィルターの枚数の多さも懸念していました。「ダイナミックレンジのスイートスポット域で撮影したい場合に、絞り値を高くすることはできません。数分おきに5~6台全てのキャメラの光のバランスを測り直したり、フィルターを交換したりすることも好きではありません。色々なことが早いスピードで進む撮影現場では、フィルムだと例え1、2絞り露光を誤っても後から取り返すことが出来るんです」

 

映像設計においてもう一つ重要な点は、PanavisionのCシリーズのアナモレンズを多数使用したスコープ フォーマットでの撮影というポイントです。「アメリカ西部の景観を撮影するのにアナモレンズ以外は考えられません。観客により大きくて近いような感覚を与えながらも、画像を半分に圧縮するおかげで広角レンズのフルイメージを得られます」と続けます。

 

ルックの決定には、Panavision社で"レンズの教祖"と呼ばれるダン・ササキ氏が大きく携わりました。「ササキ氏と私は"不完全な"レンズを求め、また、焦点距離を制限したパレットを試すことにしたんです」とベゼル氏は言います。「比較的新しいGシリーズのレンズは、私たちの狙いには良すぎました。ドラマチックなストーリー表現を狙い、40, 50, 65そして75mmという4本のレンズから得られる焦点距離に自分達を追い込んだのです。アクションシーンではズームレンズも用意しましたし、スケールの大きいアクションシーンでは様々なレンズを装填した多様なキャメラを持ちこみました。でも、メインのショットは結局40mmと50mmでほとんど撮影し、特にミディアムショットには通常50mmを使用しました。このレンズは歪みがほとんどなく、それでいて素晴らしいスコープのイメージを生み出すんです。至近距離からのクローズアップには65mmと75mmを使っています」

 

銀残しのルックを現像以外で作り出すために

撮影ネガにはコダック VISION3 50D 5203が使用されています。ベゼル氏は綿密なテストの後、独特なルックを作る為に感度25で切りオーバー露光し、わずかに減感現像を行いました。「このおかげで全編を通して美しい、素晴らしい質感で粒状性がまったく感じられない仕上がりになり、空のハイライトにも実に満足しています」

オーバー露光と減感現像にDIを組み合わせるやり方は、ベゼル氏がテスト時に見いだした銀残しのルックを再現する手法です。「本当に美しいロケーションと素晴らしい景観を前に、ただ綺麗なだけの映像を作りたくありませんでした」と語ります。

ジョニー・デップ

Photo by Peter Mountain – © 2013 - Disney Enterprises, Inc. and Jerry Bruckheimer Inc. All Rights Reserved.

「色もあまり多すぎないように心がけました。その綺麗さを殺す方法が銀残しなんです。ですが、このような大作のネガを実際に銀残しで現像することは出来ません。DIでルックを似せようと試みましたが、近いところまでは行くものの、同じにはなりませんでした。それで、コントラストが高めで彩度は抑えた銀残しのルックを、自分達なりのレシピで考えることにしたんです。つまり、フィルムをオーバー露光し1絞り減感現像した後に、DIでグレーディングする手法です。ネガに階調性とグレーのシェードが残っているほど、DIではルックを実現しやすかったです。減感現像により、よりシャドウの深部まで表現され、また、階調間の変化が軟化しました。このニュアンスが必要不可欠でした」

 

ベゼル氏は50D 5203を感度25で切るやり方について「メーターを感度25に設定して天気のよい昼光に向けると、露光は5.6/8になります。つまり、最高の露光、パーフェクトということです。NDを含め様々なフィルターも、もちろん偏光フィルターも必要ありません。 クリーンで美しいレンズがあるだけです。コダックの5203は、14~15絞りありますが、この方法だと16~17絞り得られました。信じられないでしょう。それに、ポスプロに入ってから、コントラストやカラーを引き出すのも容易でした。全てを含め、この作品ではクリエイティブ面でも最高の経験が出来ました。作品も素晴らしいです」

 

全世界が待ち望んだ完全無欠の王道エンターテイメント、正義のマスクが映画史を変える!『ローン・レンジャー』は日本でもいよいよ8月2日(金)よりロードショーです。是非劇場に足を運んでお楽しみください!

 

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