2016年 10月 21日 VOL.061

映画『ジェーン』―女性撮影監督マンディ・ウォーカーが35mmフィルム・アナモフィック撮影で西部劇を再生

(C) 2015 SP JGAG, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

映画『ジェーン』は、主人公ジェーンが自分の新しい家族を守るために、かつての恋人に藁にもすがる思いで助けを求めるお話です。主演ナタリー・ポートマンとユアン・マクレガーが、多くの撮影監督が夢見る西部劇ジャンルの撮影をマンディ・ウォーカー(ASC、ACS)に託しました。

 

ウォーカーは、「馬に乗って荒野を駆け巡るカウボーイの姿や、テンガロンハットを被り二丁拳銃を持って対決するふたりの決闘をローアングルで移動撮影するような、とても印象的で象徴的な世界があります。撮影監督ならば誰でも、このジャンルに取り組むことは大好きだと思います」と述べています。

ギャビン・オコナー監督(左)と撮影監督のマンディ・ウォーカー(ASC, ACS)

ウォーカーの最近の作品には、ジョン・カラン監督の『奇跡の2000マイル』(2015年)、キャサリン・ハードウイック監督の『赤ずきん』(2011年)、そしてバズ・ラーマン監督の大作『オーストラリア』(2009年)があります。後にウォーカーは、国際プレスアカデミーからサテライト賞と共に数々のノミネートに輝きました。2008年にはハリウッド・フィルムフェスティバルにて最優秀撮影監督として表彰され、ウーマン・イン・フィルムからはコダック VISION フィルム賞を受賞しました。

 

『ジェーン』の映画的ルックを作る上において、ウォーカーと監督のギャビン・オコナーはジョン・フォードの西部劇や、セルジオ・レオーネ監督の『ウエスタン』(1969年)、そしてジョン・ヒューストン監督の『許されざる者』(1960年)のようなモダン・ウエスタンを参考にしました。彼らはこのプロジェクトにふさわしいフォーマットは、35mmフィルムによるアナモフィック撮影で、2.40:1のワイドスクリーンで見せることを迷うことなく選択しました。カメラとレンズはパナビジョン社、レンズはGシリーズ・レンズが使われました。ウォーカーによれば、構図やカメラの動きを作る上で、これらのレンズは映画製作者が愛する芸術的なアナモフィック効果と、そのボケ味は正しい選択であり、もっとも“伝統的な西部劇”になると言います。

 

主演のナタリー・ポートマン(左)とダン・フロスト役のジョエル・エドガートン
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『ジェーン』はウォーカーにとってフィルム撮影による16番目の映画作品です。「私はギャビンに素直にフィルムで撮影するべきだと伝えました、なぜならフィルムは最高の解像度と共に、厳しい条件でも最高のコントラスト比を保てるからと言ったのです。フィルムで撮影することは私にとってはとても当たり前だし、この映画に必要なルックを得られると確信していたからです」と述べています。

 

ウォーカーは、コダック カラーネガティブフィルム 500T 5230、コダック VISION3 カラーネガティブフィルム 500T 5219、コダック VISION3 カラーネガティブフィルム 250D 5207、そしてコダック VISION3 カラーネガティブフィルム 50D 5203を撮影状況に合わせて使い分けました。

彼女は、「オーストラリアの砂漠で撮影した『奇跡の2000マイル』は、広範囲に渡って50Dフィルムを使いました。本当にとても明るい天空光と共に、全ての時間において厳しい天候条件でした。夕暮れ時の太陽に向かっての撮影でもこのフィルムは本当にそれをうまく捉えることが出来て本当に美しい世界でした」と振り返ります。(『奇跡の2000マイル』は2014年のオーストラリア撮影監督協会賞で金賞を受賞しました)

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『ジェーン』においてウォーカーは、全てのフィルムを2/3絞りオーバー露光させました。「私はネガのラチチュードに余裕を持たせることにし、それは屋外では抑えを持ち上げて影のコントラスト比が大きくならないようにするためでもありました」と語り、「ライトで抑えることはしませんでした。大地の色による巨大なバウンスを砂煙に任せて共に使いました。常にほんの少しだけシャドウエリアの露光を持ち上げるように試みて、つまりそれが影の中でキャラクターの眼やディティールを表現したいと思った時に出来るようにしたのです」と続けます。

望遠レンズによって切り取られるとてもタイトなクローズアップショットはドラマチックな瞬間を強調します。夜間照明は石油ランプと火明かりを模しています。暖かな光の無いシーンでは、ウォーカーは大きな月明かりの照明を作りました。主要な家のセットの外で起きる重要な火災のシーン、このシーンでウォーカーは強力な光源にオレンジとイエローの照明フィルターとフリッカーマシンを取り付けました。キメラ社の照明システムとペーパー・ランタンを家の周りの隠れた場所に配置して、役者達への炎の光が軟らかく当たるようにしました。

「それはとてもドラマチックでコントラスト比の高いシーンでした」と、ウォーカーは言います。「無法者が家にやって来て入り込もうとします、そこには銃痕の穴から差し込む炎の光があります。そして重厚で引き締まった黒の世界でもあるのです」。さらに加えて、露出におけるラチチュードの幅とフィルムの解像度が、ニューメキシコ州サンタフェのロケーションに適応したとウォーカーは評価しています。

撮影現場でのジョエル・エドガートン(左)とギャビン・オコナー監督
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「個人的にはフィルムで撮影する方が速いと思います。例えば夕暮れ時の撮影のように、外に出て行って走って被写体を捉えなければならない状況で、瞬時にカメラとバッテリーを持って撮影ができます。カメラが起動するまで待つ必要もなければ、ケーブルやそれに繋がる全てを気にすることはありません。私にとってフィルムは不変なのです」と締めくくりました。

(2015年1月22日発信 Kodakウェブサイト InCameraより)

 

『ジェーン』
2016年10月22日(土)全国公開

配給:ポニーキャニオン
​公式サイト: http://jane-movie.jp/
予告編

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