2017年 3月 10日 VOL.070

若手映画作家の発掘・育成を目的とした国家プロジェクト
『ndjc:若手映画作家育成プロジェクト 2016』
完成5作品の監督および作品の紹介

Copyright: (C) 2017 VIPO

『ndjc:若手映画作家育成プロジェクト』とは、日本映画振興事業の一環として文化庁よりVIPO(映像産業振興機構)が委託を受け、優れた若手映画作家を対象に、本格的な映像制作技術と作家性を磨くために必要な知識や技術を継承するためのワークショップや製作実地研修を実施し、新たな才能の発掘を目的として作品発表の場を提供することで若手映画作家を支援し、日本映画の活性化を目指しているプロジェクトです。2006年度から今年度まで、合計57名の若手映画作家が、このプロジェクトに参加し短編映画を完成させました。

本年度も8月に行ったワークショップから選出され、製作実地研修に進んだ5人の若手監督が、講師による脚本指導を経て、各制作プロダクションの協力のもと、プロのスタッフ・キャストと共に35mmフィルム撮影による短編映画を制作し、このたび完成いたしました。

『ndjc:若手映画作家育成プロジェクト 2016』完成5作品の上映会は、東京会場がTOHOシネマズ日本橋にて3月11日~3月17日、大阪会場がシネ・リーブル梅田にて3月18日~3月24日に開催されます。各会場では連日舞台挨拶やトークセッションが予定されています。(上映会や作品情報の詳細はndjc公式サイト http://www.vipo-ndjc.jp/ をご覧ください)

 

今回、5人の監督から、35mmフィルム撮影で作品を仕上げた感想をお寄せいただきました。本プロジェクトのスーパーバイザーを務められた土川勉氏のメッセージと合わせてご紹介いたします。(以下、敬称略)
 

 白T

監督・脚本:金 允洙(KIM Yunsu)

撮  影 :柳島克己

照  明 :根本伸一

制作プロダクション:ジャンゴフィルム

出演:弥尋、桜井ユキ、般若

監督・作品の詳細はコチラ → http://www.vipo-ndjc.jp/ndjc/3341/

金 允洙 監督からのコメント

かつて大ベテランのキャメラマンの方に言われたことがあります。「デジタルでもフィルムでも、きちんと準備して気持ちを込めて撮る。それでいい。」-その通りでした。フィルムだろうがデジタルだろうが緊張感は漂うものだし、またそうあるべきだと思います。撮影、編集を経て、グレーディングの段階で、デジタルとアナログが握手する瞬間に立ち会ったような気がして感動しました。フィルムで撮影されたものをデジタルの技術で完成に近付ける作業でした。フィルムならでは色の豊かさと、強度のようなものを感じました。デジタルにはデジタルの、アナログにはアナログの良さと強みがあると思います。原理主義でもなく、ノスタルジックな懐古主義からでもなく、あくまでも作品のための選択肢の一つとして、フィルム撮影がこれからも残ると良いなと思うようになりました。

『白T』の撮影現場 (C) 2017 VIPO

 ジョニーの休日

監督・脚本:新谷寛行(SHINTANI Hiroyuki)

撮  影 :矢田行男

照  明 :守利賢一

制作プロダクション:シネムーブ

出演:金井勇太、川添野愛、大塚千弘、かでなれおん、服部妙子、鈴木一功

監督・作品の詳細はコチラ → http://www.vipo-ndjc.jp/ndjc/3340/

新谷 寛行 監督からのコメント

フィルムがまわった時のカタカタという音を聞くと、データではなく1枚1枚の写真を撮っている感覚がして、重ね撮りも削除もコピペもできない「モノ」を生みだしてるんだなという実感がわきました。もちろん、デジタル撮影でも一瞬一瞬にかけてますが、原始的なところで「自分が今、何をしてるのか」ということに立ち返らせてくれることが多々ありました。正直、最初は「やっぱりフィルムは良い」という考えに懐疑的でしたが、カメラテストからラッシュまですべての工程を経て、デジタルでは得られない創作活動の中の「映画」の立ち位置みたいなものを教えていただけたように感じます。映画作りを始めたばかりなので、こういう機会をいただいたことは、とても幸福でした。

『ジョニーの休日』の撮影現場 (C) 2017 VIPO

 パンクしそうだ

監督・脚本:目黒啓太(MEGURO Keita)

撮  影 :谷口和寛

照  明 :森 紀博

制作プロダクション:オフィス・シロウズ

出演:亀田侑樹、松山愛里、夛留見啓助、イワゴウサトシ、岩井堂聖子

監督・作品の詳細はコチラ → http://www.vipo-ndjc.jp/ndjc/3338/

目黒 啓太 監督からのコメント

本番中、カメラの回る音を聞きながら、学生時代8mmカメラを回しながら感じた「世界を切り取っていく感覚」を再び味わいました。この作品をフィルムで撮ることで、フレームの中の出来事が「確かに今そこで起こっている」という現実感をより強く得たと思います。ただ、その「フィルムの魔力」に甘んじた作劇をしてはならないとも強く感じました。私はこれまでCMや映画の現場でスタッフとしてフィルム撮影に携わってきましたが、この数年でますますフィルムが貴重で特別なものに変化したことを今回の撮影を通して実感しました。それでも、これから映画の世界でフィルムが神格化されることなく、表現の選択肢として存続していってほしいと思います。

『パンクしそうだ』の撮影現場 (C) 2017 VIPO

 戦場へ、インターン

監督・脚本:籔下雷太(YABUSHITA Raita)

撮  影 :松本謙一

照  明 :鳥羽宏文

制作プロダクション:角川大映スタジオ

出演:伊藤沙莉、萩原みのり、郭智博、米村亮太朗、青木健、塚本耕司

監督・作品の詳細はコチラ → http://www.vipo-ndjc.jp/ndjc/3339/

籔下 雷太 監督からのコメント

僕は、映画をはじめるよりも先に写真をやっていて、フィルムの現像や、暗室に入ってプリントなどをした経験があったので、今回フィルムで映画を撮れる機会を頂けて、その質感を生かした作品にしたいと思っていました。室内は時代物で昭和の雰囲気を出して、外は豊かな階調でみずみずしく自然などと一緒に人物を捉えていけたらいいなと考えていました。作品が完成してみて、風や光を感じる温かい雰囲気の外の画と重苦しさのある少しタイムスリップしたような感覚になる室内の画のコントラストがすごく出たので、キャメラマンの松本さん、照明の鳥羽さんに本当に感謝しています。フィルム撮影は、緊張感もいつも以上に感じることも多かったですが、リハーサルやカット割り、役者さんとのコミュニケーションなど基本的なことの大切さをすごく実感することができたので、経験できて良かったです。

『戦場へ、インターン』の撮影現場 (C) 2017 VIPO

 SENIOR MAN

監督・脚本:吉野 主(YOSHINO Mamoru)

撮  影 :江﨑朋生

照  明 :三善章誉

制作プロダクション:松竹撮影所

出演:峰蘭太郎、田中要次、油井昌由樹、久保晶、外波山文明

監督・作品の詳細はコチラ → http://www.vipo-ndjc.jp/ndjc/3336/

吉野 主 監督からのコメント

助監督としてフィルム撮影の映画に携わって以来、約7年ぶりのフィルムの現場でした。一人の映画好きとして、フィルムでの撮影に憧れがあった私にとって、その独特の緊張感は心地の良い刺激になり、本当に楽しかったです。また、老人を描いた今作品の世界観を余計なエフェクトを必要とせずに濃厚に描くことができたのはフィルムによる効果が大きいと思います。作品が完成し、スクリーンで映像を確認した時に、正に小さい頃から観てきた映画の質感だと感じ、それを自分で作ったのだと実感した時には感動しました。今後デジタルの技術がさらに進化を続けたとしても、フィルムの需要が無くなることはないと思います。

『SENIOR MAN』の撮影現場 (C) 2017 VIPO

近年、邦画の公開本数は年間約600本と各段に増えてきましたが、映画製作の形態や上映の方法は時代の流れと共に急速に変化しています。しかし素晴らしい作品が生まれる現場の緊張感は、今も昔も変わらないはずです。フィルム撮影の現場はそれを象徴するもののひとつではないでしょうか?
2016年度で11年目を迎え、さらなる可能性に向かって動き出した「ndjc」。私たちは若き監督たちの熱い思いを実現させるため、優秀なプロデューサー、制作プロダクションの方々のご協力のもと、最高の現場を用意し「新たな物語」をこれからも創出していきます。

土川 勉 氏 プロフィール(つちかわつとむ)
1989年『Aサインデイズ』(崔洋一監督)でプロデューサーデビュー。
その後、大映と角川映画にて製作畑一筋に44作品のプロデュースを担当。
主な作品は『CURE』(1997年黒沢清監督)、『回路』(1999年黒沢清監督・カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞受賞)、『ガメラ』、『ガメラ2』、『ガメラ3』(1995年、1996年、1999年金子修介監督)、『DEAD OR ALIVE犯罪者』(1999年三池崇史監督)、『沈まぬ太陽』(2009年若松節郎監督・第33回日本アカデミー賞最優秀作品受賞)など。
現在はSKIPシティ国際Dシネマ映画祭ディレクター。

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