2017年 10月 4日 VOL.088

映画『ドリーム』によって再び結ばれた
コダックとNASA

© 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.

撮影監督のマンディ・ウォーカー(ASC、ACS)が映画『ドリーム』のイメージを作り上げていた時、彼女が構想していたのは「リアリティの映画化」でした。物語と1960年代という時代背景が求めていたのは、宇宙開発競争で追いつこうとするアメリカの英雄像と、上司のための計算という裏方に追いやられた3人の天才的な黒人女性科学者が、平等と敬意のために奮闘する説得力のある描写でした。やがて、3人はその知性を認められ、NASAの成功の重要な役割を担うようになります。本作はアカデミー賞において作品賞を含む3部門にノミネートされました。

脚本には当時のストックフッテージ(資料映像)が大量に使われており、ウォーカーはそういった象徴的とも言える宇宙開発のショットがコダックフィルムで撮影されていたことを知っていました。

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コダックとNASAのコラボレーションの歴史は40年に及びます。『ドリーム』の中で描かれている偉業、ジョン・グレンがアメリカ人として初めての地球周回軌道を飛行した際には、コダックフィルムによって彼の様子が記録されています。1960年代半ばには、月の表面のマップを作成するためにコダックの技術が使われ、1969年およびそれ以降の月面着陸の際には綿密かつ詳細な画像を持ち帰るためにコダックのカラーステレオカメラが用いられました。グレンが35年以上を経て宇宙へと戻った際には、特別仕様のコダックのデジタルカメラを彼が操作し、歴史的なスペースシャトルミッションを記録しました。宇宙飛行士たちによって撮影され、持ち帰られた力強い写真の数々は、人々が自分自身と宇宙における自己の存在の見方を変えたと言えるでしょう。

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そのことを踏まえウォーカーは、『ドリーム』をコダックフィルムで撮影することに決めました。また、彼女は写真家のソール・ライター、ゴードン・パークス、ダニー・ライアンらの写真からもインスピレーションを得ました。

「当時はコダクロームやエクタクロームで撮影されていたので、私たちは色彩についてコダクロームの品質を意識しました。でも、撮影した映像をそうしたフッテージの様にしようとはしませんでした」と彼女は言います。「私たちの撮影した映像には、4つか5つほどの異なるスタイルがありましたが、全ては一つのまとまりのある展開に沿ったものでした。照明の色、コントラスト、彩度はもちろん、プロダクションデザインの色は、劇中の女性たちが各場面で経験する感情をサポートするように、注意深く計画しました」

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画像はワイドスクリーンのアスペクト比で、パナビジョンのカメラと、主にEシリーズのアナモフィックレンズを用いて撮影されました。コダックのVISION3 50D、250D、500Tなどのカラーネガティブフィルムを含む多種類のフィルムによって、さまざまな場所や物語の各シーンの違いを詳細な描写で表現できました。いくつかの回想シーンでは、スーパー16フォーマット(1.66:1)の映像を2.40:1に合うようトリミングすることで粒子の質感を出しています。彼女は推奨されている露光指数に対し、2/3絞り分ややオーバー露光にしました。

「こうすることによって、ネガフィルムに最も多くの情報を持たせることができます」と彼女は言います。「たとえ過度なオーバー露光であったとしても、フィルムは常にハイライトを保持することができます。ハイライトはすでに守られているのでオーバー露光によってシャドウを守るつもりで撮影しました」

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科学的な計算が行われたNASAの宇宙特別研究本部の部屋は重要な舞台です。プロダクションデザインに加え、ウォーカーの施した照明によって説得力のある空間に仕上がりました。

「これらの場所の多くは上から蛍光灯の光が当たっているので、私は奥行き感のある映像を作り出したかったのです」とウォーカーは言います。「灯りをテーブルに置いたり、光源やハイライトを画の背景に加えたりすることで、コントラストを用いて奥行き感を作り出しました。4か5絞りオーバーの窓も、外の情報を保持したまま撮影できました。ハイライトの中にディテールを維持したまま、奥行き感を出すために最大出力で照明を当てることができたのです」

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しかし『ドリーム』がフィルムで撮影された最大の理由は色の表現力でした。ウォーカーによると、監督のセオドア・メルフィと初めて会ったとき、彼は「フィルムの持つ色彩と表現できる肌の柔らかさや質感が欲しい」と言ったそうです。

ウォーカーはそれに同意しました。「フィルムが作り出す肌の描写やシャドウからハイライトへの移り変わりは素晴らしく、現場やポストプロダクションでディフュージョンをまったく用いませんでした。フィルムはデジタルより多くの色彩を表現できます。人の肌にはたくさんの異なる色が混ざっていることを描写された肌の中に見て取れます。一人ひとりの違いを画像の中に感じられるでしょう」

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映画製作者は色彩を使って観客の潜在意識に合図を送るという手法を用います。主人公の女性たちが最初に働いた地下のオフィスは窓が無く、くすんだ灰色がかった緑の場所でした。その後、彼女たちは上の階にある、真っ白く清潔でモダンなオフィスへと移動します。「まるで未来へ踏み出すような感じにしたいと思いました」とウォーカーは言います。「とても最先端で新しい時代、NASAがアポロ時代へと発展した時のように」

『ドリーム』は世界中で上映され、若い女性たちが科学者およびエンジニアへの道に進むことを勇気づけています。

「私は本作品を誇りに思います」とウォーカーは言います。「私たちは目指していたものを成し遂げました。短期間で撮影ができ、素晴らしいチームワークを発揮しました。フィルムでの撮影にとても満足しており、正しい決断だったと思います」

(2017年3月7日発信 Kodakウェブサイトより)

『ドリーム』

 原題   : Hidden Figures
 製作国  : アメリカ

 配給   : 20世紀フォックス映画

 公式サイト: http://www.foxmovies-jp.com/dreammovie/

 予告編

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