2018年 8月 9日 VOL.114

映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』

撮影監督 ロブ・ハーディ、ロング インタビュー(後編)
 

Copyright: © 2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

カメラワークについてもう少し教えてもらえますか?

ハーディ: 目標はアクションにまさに接近することでした。それに加え、トムは自分でシーンを演じたがっていたのですが、その結果としてカットが短くなりすぎないようにすることでした。ですから、カメラの位置と動きはなるべくアクションシーンの周りに配置して長回しで撮影しました。

また、本作では複数のキャラクターが会話する長いシーンがいくつかあるので、そういった場合にはカメラを数台使いました。そうすれば、交差しての撮影が可能になり、スケジュール通りに進めることができました。

特別なフレーミングのスタイルが欲しいと思った時はたいてい、付き合い長い協力者のジェニー・パッドンにフォーカスを手伝ってもらいながら、自分でAカメラを操作しました。Bカメラとステディカムは優秀なマルクス・ポーラスが操作し、アダム・コールズが補佐を務め、Cカメラはジュリアン・モーソンが操作し、オリー・ドリスコルが補佐を務めました。

屋上でのチェイスのシーンでは、トムが建物から建物へとジャンプをするのですが、ワンショットのような感じにしたいと思っていました。崖っぷちのトムを追いかけ、360度回転が可能になるようにWireCamにMini Libraのヘッドをセットしたのです。私が車輪を操作し、スタントチームと一緒に何度もリハーサルを行いました。トムは3度そのシーンを演じ、残念ながら3度目で足にけがを負いました。ですが結果はすばらしく、方向感覚が失われますが、爽快な出来になっています。

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照明についてはいかがでしたか?

ハーディ: セントポール大聖堂の内部に照明を当てるチャンスがありました。セントポール大聖堂は桁違いの場所です。(9ヶ月になる私の息子のアーサーが初めてセットに来られた日でもあったので、2つのすてきな理由で記念になりました。)

全体として、映画のルック(映像の見た目)を暗く、不気味にする一方で、自然にすることが目標でした。照明はすべてタングステンで、デーライト光に対して調整することもありました。ロケーション撮影とスタジオでの作業のどちらでも、映像に壮大さと深みを作り出すために照明を調整できるようにしたかったのです。空間の隅々まで照らす準備をしておきながら、相当量の光を取り除いて影を創りだす機能を持っていました。それは光の壁と全体の照明を組み合わせでした。稀に、治具ではなく、何らかの方法でカメラに取り付けられたランプも現場にありました。

照明担当のマーティン・スミスはすばらしかったです。彼はいろんなことをこなしてくれました。制作スケジュールにより、一緒にシーンの照明してみることがほとんどできなかったのですが、彼が最高の仕事を続けてくれて大変助かりました。本作におけるビジュアルのテーマの1つが、トムのキャラクターをどのようにして本人の望まない道に進ませ続けるかということでした。まるでトンネルに突っ込むように、です。ですから我々は常に、無限遠で消失する物体や建物を周りに置いて、彼をフレーミングしようとしていました。照明はその美学において重要な役割を果たしています。

トムが足にけがを負った時は大変でしたか?

ハーディ: ええ、もちろんです。制作を中断しなければいけないということでしたから。ですが、中断して良かったことの1つは、みんなで考えをまとめ、編集を見て、何が改善できるかを確認できたことです。私の場合は、息子のアーサーや妻と少しの間だけ家で一緒に過ごすことができました。

本作で特に誇りに思っているシーンはありますか?

ハーディ: グラン・パレでの撮影と、それに続く、リーブスデンのセットで後日撮影した格闘シーンはとても気に入っています。リーブスデン・スタジオで正式に準備をした初日に、グラン・パレのシーンについて話し合ったことは決して忘れないでしょうね。その時の私は何とか追いつこうと、クリストファー、プロダクションデザインのピーター・ウェナム、スタントコーディネーターのウェイド・イーストウッドの会話に耳を傾けていました。その場に飛び込んできたトムも会話に加わり、直接私に「それで、どうやってこれに照明を当てるんだ、ロブ?」と尋ねました。するとみんなが静かになり、私の答えを待っていました。

私にはそのシーンが巨大な温室みたいに見えていたのですが、壮大なレイブ(ダンス音楽を流す大規模なパーティー)が行われている夕暮れ時のショットでした。私の勘が、全体に届く巨大な光源が必要で、1つの光源からその空間に照明を当てればいいのだと教えてくれました。どう照明を当てればいいか分かると私はトムに言い、作中の一定のシーンはどれも、同じ方法、同じ強さ、同じ雰囲気で照明を当てました。我々の映像の方向性に合っていながら、皆さんが以前に映画で見たどのレイブのようにも見えないでしょう。自分がやろうとした方法で照明を当てていた他の大きな空間のことについて考えて、私はテート・モダンのタービン・ホールでのオラファー・エリアソンの「ウェザー・プロジェクト」を思い出したのです。

それで我々が思いついたのが巨大な円形のソフトライトで、それをロンドンで切片にして作り、パリに運びました。グラン・パレで組み立てるのに4日かかりましたが、その価値はありました。シーンに独特のドラマチックな効果をもたらしてくれました。

トイレでの格闘シーンについては、神秘的な雰囲気を取り払い、美しいグラン・パレとは真逆の、殺風景で真っ白な場所でこの荒々しい対決が行われるのがいいだろうと考えました。そのシーンの撮影は、グラン・パレでの撮影の数ヶ月後にリーブスデンのセットで行いました。私は、俳優の頭上のディフューズパネルと蛍光灯管で上部から照明しました。非常にうまくいったと思います。見た目にも恐ろしいシーンですし、本作での私のお気に入りのシーンになりましたから。

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デジタル インターメディエイトついて少し教えてもらえますか?

ハーディ: デジタル インターメディエイトはいつもやっている通り、エイサ・ショルとロンドンのモリナレ社で行いました。4月の間にロンドンで2度ほど作品に手を加え、その後私はロサンゼルスにいて、プライベートのネットワークを通じて遠隔で最後の仕上げを行いました。

RealD 3DとIMAX 3Dの公開には関わったのですか?

ハーディ: いいえ。その時には、私はアレックス・ガーランドの次回作の準備に入っていたので、エイサに任せました。

最終的に、『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』はあなたにとってどれくらい大きな挑戦でしたか?

ハーディ: 毎朝ノルウェーのフィヨルドのてっぺんまでヘリコプターで上って、遠くの巨大な撮影ベースに行けば、自分が関わっているものの大きさが分かるでしょう!・・・とは言え、それでも、脚本の変更やルックを保つこと、撮影スケジュールに遅れないようにすることなど、毎日起きる映画撮影上の問題の解決策を探らなければなりません。ですから規模が変わっても、創造において挑まなければいけないことは同じです。アクションシーンの中には常軌を逸しているようなものもありましたが、出来栄えは最高です。どの瞬間も気に入っています。

(2018年7月24日発信 Kodakウェブサイトより)

『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』

 原 題: Mission: Impossible - Fallout
 製作国: アメリカ
 配 給: 東和ピクチャーズ​

 公式サイト: http://missionimpossible.jp/

 

パリでの撮影メイキング(英語)

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