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2020年 5月 26日 VOL.160

高品質の35mm映画用フィルムをスチルフィルムとして手軽に利用できる写真愛好家向けサービス「SILBERSALZ35」

SILBERSALZ35カートリッジのプリント品質チェック

ドイツのシュトゥットガルトに拠点を置くジルバーザルツ・フィルム社は、35mmフィルムによる一流クライアント向け映像制作のオーサリングで精力的に事業を展開してきました。そして今、この成功を背景に、「SILBERSALZ35」(ジルバーザルツ35)という、コダック VISION3 カラーネガティブ フィルムと正規処方による映画フィルム現像処理(ECN-2処理)をベースにした、35mmフィルム現像およびスキャンの包括的な郵送サービスで、これから成長していく全世界のスチル写真家たちを支援しています。

ストーリーテリング向け創作メディアとしてのセルロイドフィルムを存続させようとする、従業員30名のクリエイティブ・エージェンシー、制作プロダクション、ポストプロダクションである同社は、着実にフィルム関連機材を増設し、ドイツの自動車メーカー、メルセデス・ベンツ、大手小売企業シュバルツ、世界的スーパーマーケットチェーンのリドル、マルチメディアおよびクリエイティブ・ソフトウェア製品のアドビなどの多国籍企業向けに、35mmフィルムをベースにしたコーポレート・コミュニケーションやプロモーション映像の制作でフィルムのノウハウを蓄積してきました。ジルバーザルツ・フィルム社の設備には、16mmや35mmのカメラ、最高品質のフォトケミカルラボ、4K HDRのフィルムスキャニング、4Kのカラーグレーディングサービスなどが含まれています。

この成功の裏で同社は、2019年の半ばにスチル写真家向けの郵送サービスSILBERSALZ35を立ち上げました。写真家たちはこのサービスにより、コダック VISION3の50D、250D、200T、500Tの35mm映画用フィルムをカートリッジに詰めたスチルフィルムを購入し、撮影後、露光したネガを現像と高解像度スキャニングのためにドイツに送り返すことが可能になります。

マイケル・コレラが撮影したコダック VISION3 500T カラーネガティブ フィルムの画像

SILBERSALZ35は、開始後最初の数か月でコダック VISION3の映画用フィルム4種類がセットになった35mmフィルムカートリッジ数千箱のオーダーを受け、50万枚以上の画像を処理しました。

ジルバーザルツ・フィルム社およびSILBERSALZ35の共同創立者でありCEOでもあるトマス・ベルクマンはこう述べています。「我々はフィルムの美しさを信じており、ぜひともより多くの方々にフィルム撮影を推奨したいと思っています。私たちと同様、企業クライアントやコンシューマーのお客様も、フィルムがもたらす品質や質感、雰囲気は、デジタルとはまったく別物であることを知っています。SILBERSALZ35のサービスは、驚異的かつ目を見張るほど素晴らしい成長を遂げてきました」

ベルクマン自身は2000年代初め、シュトゥットガルト近くのルートヴィヒスブルクにある、名高いバーデン=ヴュルテンベルク州立フィルムアカデミーでシネマトグラファーとしての訓練を積み、初期のデジタル制作のユーザーでもありました。しかしその一方で、ハイエンドの企業向け制作を行いながら、フィルムに対する自身の情熱が燃え上がるのを感じていたと言います。

監督を務めるトマス・ベルクマン(左)と撮影監督キリル・アルファス(中央)

「撮影やポストプロダクションの間、フィルムのルックやそれをデジタルでどう再現するかについていつも話し合われていました。誰もが、本物の映画用フィルムにたがわないルックにより近づけようとしていたんです。それと同時に、クリエイティブ・エージェンシーであり制作プロダクションである私たちも、均質で面白味のないデジタルのルックにやや飽きつつありました。デジタルで撮影されたコマーシャルや企業PV、映画はどれも、私たちには根本的に同じに見えるような気がしたのです」

「そして数年前、我が社の若い撮影監督の1人が、寝室の飾りとしてアトーンの16mmカメラを購入した際、私は思い切って実際にそれを使ってみるよう彼に勧めました。スキャンされて戻ってきたその仕上がりを見て、我々は大きな衝撃を受けたのです。そのフィルムルック(映像の見た目)を心から気に入り、露出したその瞬間から、個性あるフィルムのルックを作るのがいかに簡単で速く効果的であるかに驚いたのです。フィルムだとLUT、カラースペース、粒子の再現度をいじくりまわす必要はありません。露出した瞬間から、他とは違う、視覚的に満足のいく映像にできるのです」

やがてベルクマンは、ミュンヘンを拠点に置く高名なフィルムラボをARRIが2015年の終わりに閉めたことが信じられず、フィルムを存続させるために何かしなければならないという思いに駆られました。

ジルバーザルツ・フィルム社

「ベルリンにたった一つフィルムラボが残っているだけだったので、フィルムを再び実用的な選択肢にできるよう我々で何かしなければならないと思ったのです。そこで、自社のアーティストや撮影監督たちがジルバーザルツ・フィルム社の企業クライアントのために利用できる現像ラボを作ることに専念しつつ、同時に自社の16mmおよび35mmフィルムカメラ機材を増やし、能率化された映画用フィルムのスキャニング工程の開発も進めました」

この結果、著名な技術の先駆者であり、フィルム16ラボ社の元オーナーであるヘルムート・リンクスと協働し、カラーおよび白黒の35mmフィルム向けECN-2およびD96の通常現像、増感現像、減感現像、銀残し処理を提供できる小型の新しいフィルム現像機を作ることになりました。

撮影監督で同社の共同創立者であるキリル・アルファスはこう振り返ります。「自社のフィルム現像機を作るのは、たくさんの研究、緻密さ、情熱が必要だったため大変な道のりでしたが、最終的に達成することができました。コダックのケミカルは空気にさらされていません。つまり、より長く新鮮な状態であるということです。現在他のラボがやっているように、当社でも普通より若干低感度、低い温度で現像しており、映像の安定性とクオリティーが向上し、素晴らしい仕上がりになります」

ジルバーザルツ・フィルム社の暗室

実際のフィルム現像に加え、ベルクマンとアルファスは、シンテルのリアルタイム 4K HDRスキャニングに市販のソフトウェア・ソリューションの洗練された組み合わせで、効率的なワークフローを開発することにも力を注ぎました。このワークフローにより、撮影したフィルムの現像、スキャン、ポストプロダクション作業までが数時間でできるようになります。

「クリエイティブ系の制作プロダクションがフィルムラボ、さらにはスキャニングやカラーコレクションの設備を作ったというのは、それ自体クレイジーな話なのですが、当社の撮影監督が、一眼レフカメラで撮影したフィルムを現像するというアイデアを思いつき、事態はますますクレイジーになりました。そのようなわけで、私たちはSILBERSALZ35を新しい会社の新しいサービスとして立ち上げたのです」とアルファスは言います。

SILBERSALZ35は、高品質の35mm コダック VISION3 カラーネガティブ フィルム、500T、200T、250D、50Dをベースとしています。これらのフィルムは、一眼レフカメラ用のDXコード付き金属製カートリッジに36フレームの長さで再スプールされています。顧客は、現像、スキャンサービスがすべて込みの郵送用生フィルムの一環として、好みに応じて様々なカートリッジのパックを購入することもできます。ネガには、ECN-2プロセスの現像や、4K HDRスキャンでJPEGや16ビットRAWの画像ファイルへとハリウッド並みの処理が施されるのです。

SILBERSALZ35 カートリッジ

「SILBERSALZ35がそれを簡単かつ合理的にします。また、私たちが提供するサービスの中にはほぼすべての基本的な内容が含まれています」とアルファスは言います。「銀残し、増感、減感現像の無料オプションに加え、XPAN(8パーフォレーション / 14パーフォレーション)やパノラマのスキャニングのオプションなどもあります」

アルファスによると、面白いプロジェクトとして始まったことが、急速にまじめな命題になっていったそうです。

「私たちは、自分たちが肌で感じた需要に本当に到達できるとは思っていませんでした。SILBERSALZ35の顧客は25%がドイツ、25%がヨーロッパの他の地域、そして残りは世界中の国々、特にアメリカや日本で、驚異的な成功をおさめています」

「SILBERSALZ35での私たちの使命は、我が社のビジョンやノウハウ、ツールを、フィルムを愛するすべての人と共有することです。民間および商業用プロジェクトで仕事をするプロの写真家や、ハリウッド映画で“ルック”のテストを行う著名なシネマトグラファー、学生、アマチュア、そして初心者まで、多くの人がこのサービスを求めているというのは驚くべきことです」

SILBERSALZ35は、同社の何人かの顧客による作品を紹介し、使用されたフィルムやレンズ、カメラに関する有益な情報を伝える、新しいオンラインギャラリーリールを始めたばかりです。

ベルクマンはこう締めくくります。「私たちはクリエイティブなパワーと、35mmで作られた純粋で多様性のある作品が好きです。そして、我が社の新しいギャラリーリールは、異なるフィルムタイプの画像や、芸術的に実現可能な仕上がり具合を見ることができますので、非常に面白いものになると思います」

SILBERSALZ35に関する詳細および購入について

https://silbersalz35.com/ 

SILBERSALZ35の41.5メガピクセル・ギャラリー

https://silbersalz35.com/gallery/

SILBERSALZ35のギャラリー・リール

SILBERSALZ35のFAQ

(2020年4月20日発信 Kodakウェブサイトより)

【ご注意ください】

SILBERSALZ35(ジルバーザルツ35)のフィルムには、一般写真用フイルムにはない「レムジェット・バッキング」と呼ばれる黒色のカーボンの層が塗布されています。必ずSILBERSALZ35に返送して現像してください。現像処理工程が異なる一般写真用フィルムの現像機で現像するとカーボン層による現像処理液の汚染、他の顧客のフィルムへダメージを与える等の甚大なトラブルを引き起こしますので、一般写真店への本製品の現像の依頼は絶対しないでください。

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