top of page

2024年 4月 10日 VOL.221

撮影監督のホイテ・ヴァン・ホイテマがコダックの65mmラージフォーマットフィルムを駆使してクリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー』に挑む

クリストファー・ノーラン監督・脚本による『オッペンハイマー』より Photo by Melinda Sue Gordon/Universal Pictures. Ⓒ Universal Studios. All Rights Reserved.

「これは親密で情緒的な、没入感を味わえる心理ドラマであり、壮大な出来事を描いた映画です」と語るのは撮影監督のホイテ・ヴァン・ホイテマ(NSC, FSF, ASC)です。彼は、クリストファー・ノーラン監督の手に汗握るスリラー『オッペンハイマー』を、コダックの65mmラージフォーマットフィルムを使用してIMAX(15パーフォ)フォーマットで撮影した詳細について明かしました。そこには史上初めて65mmのモノクロで撮影されたIMAXのシーンも含まれています。

「私はその仕上がりを大変誇りに思っていますし、そこから多くの興味深い議論や論争が巻き起こると確信しています」と彼は付け加えます。『オッペンハイマー』は、世界中の一般的な映画館に加え、IMAXで上映されるコダック 70mmフィルム(30プリント)と、スタンダードの70mm(113プリント)と35mm(約80プリント)といった様々なアナログフィルムのフォーマットでも公開されます。

ノーランが監督、脚本、共同製作を務めたユニバーサル・ピクチャーズのこの作品は、世界史における最も重要な出来事の一つ、理論物理学者J・ロバート・オッペンハイマーが第二次世界大戦の極秘マンハッタン計画で世界初の核兵器開発を主導した時代に観客をタイムスリップさせます。3時間の上映時間でオッペンハイマーの生涯を描き、科学の進歩の道徳的な複雑さ、ジレンマ、そしてその重大な結末について力強く探求します。

クリストファー・ノーラン監督・脚本による『オッペンハイマー』より Photo by Melinda Sue Gordon/Universal Pictures. Ⓒ Universal Studios. All Rights Reserved.

実際、1945年7月16日午前5時30分頃、ニューメキシコ州のホルナダ・デル・ムエルト砂漠で「トリニティ」というコードネームの最初の核兵器が爆発すると、オッペンハイマーはヒンドゥー教の聖典『バガバッド・ギーター』の一節である「今や、我は死なり、世界の破壊者なり」という言葉を口にし、自分が世界に解き放った破壊的な力について胸の奥深くに抱いていた良心の呵責を示しました。

この映画は、ピュリッツァー賞を受賞した伝記『オッペンハイマー:「原爆の父」と呼ばれた男の栄光と悲劇』(カイ・バード、マーティン・J・シャーウィン著)を基にしています。主演のキリアン・マーフィがオッペンハイマー役を演じ、エミリー・ブラント、マット・デイモン、ロバート・ダウニー・Jr、フローレンス・ピューに加え、ラミ・マレック、ケネス・ブラナー、トム・コンティ、ベニー・サフディ、ケイシー・アフレックらが脇を固めています。

『オッペンハイマー』は、『インターステラー』(2014)、『ダンケルク』(2017)、『TENET テネット』(2020)に続く、ヴァン・ホイテマとノーランの4度目のコラボレーションですが、これらの作品はすべて、コダック 65mmフィルムをIMAX(15パーフォ)フォーマットで使用し、65mm(5パーフォ)や35mm(4パーフォ)のアナログフィルムのフォーマットを様々に組み合わせて撮影されました。ヴァン・ホイテマは、サム・メンデスとの『007 スペクター』(2015)、ジェームズ・グレイとの『アド・アストラ』(2019)、ジョーダン・ピールとの『NOPE/ノープ』(2020)でのコラボレーションでも知られていますが、これらもすべてアナログフィルムで撮影されています。

『オッペンハイマー』の撮影現場にてIMAXフィルムカメラを構える撮影監督のホイテ・ヴァン・ホイテマ(手前)とクリストファー・ノーラン監督 Photo by Melinda Sue Gordon/Universal Pictures. Ⓒ Universal Studios. All Rights Reserved.

「歴史上の人物について自分がいかに無知であるかを思い知る時、いつも驚かされます。私は、オッペンハイマーが原子爆弾の父であること以外、彼自身についてほとんど何も知りませんでした」とヴァン・ホイテマは認めます。「クリストファーは、私が他に現存するオッペンハイマーとマンハッタン計画に関する歴史的資料を調べ始める前に、彼の脚本を読むよう求めました。私は、彼が物語を非常に個人的で親密な、スリル満点の劇作の構成にまとめ上げたことを理解しました。私たちが組んだこれまでの作品ではアクションに重点が置かれていましたが、この作品では、彼はとてもシンプルで飾り気のないスタイルの画を望み、とりわけ、展開される心理ドラマをサポートする表情の撮影に注目しました」

「私たちの以前の作品同様、彼がCGIやブルースクリーン、VFXの使用を極限まで抑え、可能な限りプラクティカル・エフェクトやミニチュアを活用したカメラ撮影を望んでいることは、私も早い段階から知っていました」

「それから伝記『オッペンハイマー:「原爆の父」と呼ばれた男の栄光と悲劇』を読み、作品に関わる他の分野の参考資料を知識として取り込んだ時、私はNASAのアポロ計画と同規模ともいえるマンハッタン計画そのものの巨大なスケールに驚愕しました。そして、その後の世界の地政学的構造を定義する上で、マンハッタン計画がいかに信じがたいほど重要であったかを再認識しました」

クリストファー・ノーラン監督・脚本による『オッペンハイマー』より Photo by Melinda Sue Gordon/Universal Pictures. Ⓒ Universal Studios. All Rights Reserved.

ヴァン・ホイテマはこう付け加えます。「私たち全員がこの時代と出来事について詳しく調べていくにつれ、私は特にオッペンハイマーと科学者たち自身についてもっと知りたいと思うようになりました。また、トリニティの爆発を記録するために特別に作られた、超高速、超高感度のスプリットフィールドカメラや、非常に長いレンズなどの副次的な開発についても調査したいと思いました。この点において、ピーター・クランの著書『How to Photograph an Atomic Bomb(原題)』は大変驚くべきものでした」

「私は原爆が爆発した時の個人の描写にも興味をかき立てられました。キノコ雲を目の錯覚のようだったと描写した人もいれば、いかに朝の空が突然焼け付くほどまぶしい白色に照らされ、それが黄金色に変わり、そして赤色から美しい赤紫色や青紫色へ変化したかを描写した人もいました。これらの多くは主観的なものでしたが、私はあの時代、まさにあの日に人々が経験したことの本質に迫ろうとする中、実に説得力があると感じました」

この映画のプリプロダクションは2022年1月に始まり、約4ヶ月後の5月に主要な撮影が完了しました。

『オッペンハイマー』の撮影現場にてIMAXフィルムカメラを構える撮影監督のホイテ・ヴァン・ホイテマ(右)とクリストファー・ノーラン監督 Photo by Melinda Sue Gordon/Universal Pictures. Ⓒ Universal Studios. All Rights Reserved.

『オッペンハイマー』の興味深い点はロケ地の選択にあります。 細部へのこだわりと歴史的信憑性への献身から、映画の舞台のほとんどは正確にオッペンハイマーの人生で彼が実際に過ごした場所であり、彼の並々ならぬ経験と彼を形作った出来事を知る機会を与えてくれます。また、映画の撮影場所が本物であるため、キャストとクルーはオッペンハイマー本人が体験した雰囲気に浸ることができました。

『オッペンハイマー』は、ニュージャージー州プリンストン、ニューヨーク、ロサンゼルス、チューリッヒ、ケンブリッジなど、アメリカやヨーロッパの様々な場所で撮影され、ニューメキシコ州の砂漠地帯にプロダクション・デザイナーのルース・デ・ヨンクが建設したセットには、1940年代スタイルの町やトリニティ実験場と爆心地もありました。ニューメキシコ州のロケ地には、マンハッタン計画中にオッペンハイマーと彼の家族が住んでいた、ロスアラモスの実際の家も含まれています。

その他、実際に撮影が行われたロケ地には、オッペンハイマーが1929年から1943年まで教授を務めていたカリフォルニア大学バークレー校とUCLA、そして第二次世界大戦後にオッペンハイマーが着任し、最終的に所長となったニュージャージー州のプリンストン高等研究所などがあります。

クリストファー・ノーラン監督・脚本による『オッペンハイマー』より Photo by Melinda Sue Gordon/Universal Pictures. Ⓒ Universal Studios. All Rights Reserved.

ヴァン・ホイテマによれば、『オッペンハイマー』をアナログフィルムで撮影することは最初から決まっていたことであり、IMAX 15パーフォのフレームサイズで65mmの没入感を感じられる画質は、たまらないほど魅力的だったと言います。

「ラージフォーマットの撮影は鮮明で、観客のために創り出しているリアリティの中に彼らを置くことができます。当然のことながら、この映画には雄大な景色があり、世界初の原子爆弾の炸裂を扱っているため、爆発的なものにしなければなりませんでした。そのような劇的な映画体験を作り上げるのにIMAXに勝るものはありません」

「とはいえ、『オッペンハイマー』は人間ドラマでもあるので、この映画をラージフォーマットで撮影するうえで私が直面した最大の技術的チャレンジは、顔の表情を興味深く、かつ、魅力的に保ちながら無数のクローズアップを扱い、最終的に親密さと心理的な力強さを感じさせるようにすることでした」

『オッペンハイマー』の撮影セットにて、クリストファー・ノーラン監督 Photo by Melinda Sue Gordon/Universal Pictures. Ⓒ Universal Studios. All Rights Reserved.

「長年の経験から、IMAXで一番良いのは50mmと80mmであることを私たちは理解していました。これらの焦点距離を超えると、映像の没入感が軽減し始めるのです。長すぎると映像は圧縮され、よりグラフィックな印象になり、まるで一種のフラットスクリーンを見ているかのようです。幅が広すぎると金魚鉢のようになり、エッジが早く落ち始めます。ですから、50mmが私たちのワイドレンズに、80mmがよりタイトなレンズになったのです。クローズアップでは、それらのレンズが適切な近さと幅を与えてくれ、周囲のすべてが自分の目の周辺視野のように機能し始めます」

「しかし、私たちがクローズアップの撮影を行う際は、カメラを被写体から6フィート(約1.8メートル)も離したくありませんでした。遠近感や親密さを実際に感じられるように、もっとずっとタイトに撮りたかったのです。また、光の少ない状況で撮影するため、T4ではなくT1.4で撮影する必要があるだろうと認識していました」

そのようなクローズフォーカスレンズは市販では簡単に入手できないため、ヴァン・ホイテマは再びパナビジョンのレンズの第一人者であるダン・ササキの才能に頼り、制作中にIMAX MKIV、IMAX MSM 9802、パナビジョンのパナフレックス・システム 65 Studioのカメラで使用される、ハッセルブラッド、パナビジョンSphero 65、パナビジョンSystem 65を含む様々なレンズを供給してもらいました。

クリストファー・ノーラン監督・脚本による『オッペンハイマー』より Photo by Melinda Sue Gordon/Universal Pictures. Ⓒ Universal Studios. All Rights Reserved.

「ダンはレンズの素晴らしい芸術家であり魔術師で、既存のレンズを微調整したり、他のレンズを一から再設計したりして、私が不可能だと思っていた要求に応えてくれました。彼は、IMAXカメラで使用するために、これまでにない特別な防水シュノーケルレンズまで作ってくれました。おかげで私たちは、ミニチュアの極端なマクロショットや、この映画の中のより創意工夫に富んだ科学的シーンで興味深い光景を撮ることができたのです」

ヴァン・ホイテマは、『オッペンハイマー』をコダックの65mmラージフォーマットネガフィルムで撮影し、屋外と明るい日中の屋内にはコダック VISION3 250D カラーネガフィルム 5207を、光の少ない場面と夜の場面には500T 5219を使用しました。また彼は、様々なストーリー展開の区別をつけるために、コダックが本作のため、IMAXとパナビジョンSystem 65mmフィルムカメラ用に特別に製造したイーストマン ダブル-X 白黒ネガティブ フィルム 5222も使用して撮影しました。そしてフィルムの現像はロサンゼルスのフォトケムで行われました。

コダックが2022年に65mmフォーマットのダブル-X 白黒フィルムを『オッペンハイマー』のために特別に製造したのは、このフィルムがIMAXワークフローで過去に一度もテストされたことがなかったことを考慮すると、コダックにとって初めてのことでした。コダックの製造プロセスには、並外れた創意工夫、広範囲に及ぶテスト、そして映画制作者、IMAX、パナビジョン、フォトケムとの念入りな協力が必要でした。スクリーン上のモノクロの仕上がりは壮観です。

ヴァン・ホイテマはこう述べています。「私は多くのコマーシャルをデジタルカメラで撮影しますが、それでもフィルムの方がより魅力的に見え、人間の視覚体験にずっと近いと考えています。250Dと500Tは、私が遭遇するほぼすべての照明状況をカバーするであろうと分かっていた主力の感度で、特にIMAXでは乳剤面の面積が大きくなれば粒子が細かくなることを意味するものの、それでも私にとっては十分な質感がありました。アナログ映像の解像度、深み、色、丸み、そしてフィルムが伝える全体的な感覚に勝るものはまだありません。特にIMAXシアターでアナログプリントを見ると、そのインパクトの強さにはとてつもなく感動させられます」

クリストファー・ノーラン監督・脚本による『オッペンハイマー』より Photo by Melinda Sue Gordon/Universal Pictures. Ⓒ Universal Studios. All Rights Reserved.

脚本の複雑な構造を支えるため、ノーランはヴァン・ホイテマのサポートを得て、異なる出来事と視点を明確に区別するのに役立てようと、モノクロを使うことを推し進めました。

「勇気のある選択でした。私が最初に電話をかけた先の一つがコダックで、65mmラージフォーマットの白黒フィルムがあるかどうか尋ねました。しかし、コダックはそれまでそのようなフィルムを作ったことがなく、当初は、彼らがこの作品の制作に間に合わせてフィルムを仕上げる気があるか、あるいは、仕上げられるのかどうか確実ではありませんでした。しかし、彼らは積極的に取り組み、製造したばかりのプロトタイプのダブル-X 5222 65mmフィルムを、手書きのラベルが貼られた缶に入れて提供してくれました」

「しかしながら、そのフィルムストックは誰にとっても馴染みのないもので、IMAXやシステム 65のカメラにも通したことがなく、ラボで65mmフィルムプロセッサーを再構成する必要があり、ダブル-X 5222を使用可能にするには、コダック、IMAX、パナビジョン、フォトケムとの多大な協力が必要でした。それは、フィルム乳剤の下引き層の厚みや、傷の防止のためにカメラの新しいゲートやプレッシャープレートの製作などを含む、非常に複雑なエンジニアリングプロセスとなりました」

「しかし、その価値は大いにありました! クリストファーと私が、キリアン・マーフィとロバート・ダウニー・Jr.のポートレートが映し出された最初のテストを見たとき、私たちは大感激し、満面の笑みを浮かべた幼い子供のようでした。それは私たちが見たことのないもので、非常に特別で、とても美しかったのです」

クリストファー・ノーラン監督・脚本による『オッペンハイマー』より Photo by Melinda Sue Gordon/Universal Pictures. Ⓒ Universal Studios. All Rights Reserved.

「当然のことながら、モノクロ映像を作り出すために使える方法はいくつかありましたが、本物の白黒アナログフィルムを使用した時と同じ感覚は決して得られません。また、モノクロで撮影していると、ポーランドのウッチ映画大学での学生時代を思い出しました。大学では、最終的な映像を得るためにグレースケールを理解し、スポットと入射光式露出計を使って自分自身で判断することが極めて重要でした」

制作中にカメラを動かすにはクレーンとドリーが必要でしたが、手持ち撮影となると、ヴァン・ホイテマはIMAXカメラの操作の責任を文字通り自分で背負いました。扱いにくいカメラとレンズを合わせると約50ポンド(約23キログラム)の重さになるので、並大抵のことではありません。

「重いですが、全く問題なく操作できます。長時間のテイクはなく、IMAXカメラを肩に担ぐのは短時間で一気に撮影する時だけでした。それに、私にはこれまで多くの映画で一緒に仕事をしてきた頼りになるクルーがいました。キーグリップのカイル・カーデンとドリー・グリップのライアン・モンローは機転が利き、私のニーズに敏感に応じながらカメラを取り扱い、丁度良いタイミングで肩に乗せたり降ろしたりできるようにしてくれました。また、私の天才的なフォーカスプラーであるキース・デイヴィスが、最初にカメラの準備を整えて速攻作業をしてくれたことも触れておかなければなりません」

『オッペンハイマー』の撮影現場にて、クリストファー・ノーラン監督(中央) Photo by Melinda Sue Gordon/Universal Pictures. Ⓒ Universal Studios. All Rights Reserved.

照明に関して、ヴァン・ホイテマはこう語っています。「原子力科学の最前線にいる量子物理学者の頭の中に入り込むために、創造的で解釈的な作業が必要とされる一方、全般的な目標は、光がどこから来ているのかに忠実であることと、自然主義的な仕上がりを生み出すことでした。」彼はこの課題において、以前の作品を通して常連クルーの一人であるガファーのアダム・チェンバース(ICLS)に支えられました。

「私は撮影中、昔ながらのタングステンや、パンチが必要なときのための主力である18KのARRIMAX HMI、それに加えてARRI スカイパネルのような比較的新しい照明器具など、あらゆるものを備えていました。LED照明はここ数年で劇的に進歩したと言わざるを得ません。この照明は鮮やかで、演色評価数が非常に高く、制御性も素晴らしい。アダムは、彼の兄弟であるノアとシェーンと一緒に、極めて信頼性が高く、遅延のない、100%ワイヤレスのDMXコントロールシステムを開発してくれました。つまり私たちの照明は、設置したそばから制御盤で間髪入れずコントロールできたのです」

「2021号室でのシーンでは、オッペンハイマーの長いヒアリングがあるのですが、私はセット内で照明器具を一つも使いませんでした。すべての照明は窓の外にあったのです。制御盤から実際の昼光の色に合わせ、それを追っていくことができたので、私たちの照明は周囲の光と完全にマッチしていたと確信しています。とても迅速で融通が利く作業方法です」

クリストファー・ノーラン監督・脚本による『オッペンハイマー』より Photo by Melinda Sue Gordon/Universal Pictures. Ⓒ Universal Studios. All Rights Reserved.

『オッペンハイマー』の撮影経験を振り返り、ヴァン・ホイテマは次のように締めくくります。「IMAXでコダックの65mmフィルムを使用する以前に、クリストファーと3本の映画を撮影し、私たちの目的のため、その都度メディアを進化させ、開発し、完成させてきたので、それで作業するのは非常に直感的でした。しかし、クリストファーは常に限界を押し広げており、私は彼と共に作る映画の一つ一つで彼がもたらすイノベーションの一翼を担うことが好きです。今回の場合は、クローズアップのためにカメラを近づけたことと、コダックに白黒の65mmフィルムを製造するよう働きかけたことでした」

「クリストファーはテクノロジーに精通している上、卓越したプランナーでもあります。彼は次の装填までにマガジンがあとどのくらいもつかを正確に把握していて、すべてのショットに自分が何を求めているか理解しています。そして、私たちが撮影するすべてのショットが作品に取り込まれています。撮り直しは一度もなく、大抵は予定通りか、スケジュールより早く終わります。極めて効率的な映画作りです。『オッペンハイマー』の製作は素晴らしいものでした。この映画は刺激的で強烈な体験となるはずです。大きなスクリーンで観ればなおさらね」

(2023年7月20日発信 Kodakウェブサイトより)

『オッペンハイマー』

 (3月29日より全国公開中)

 製作年: 2023年

 製作国: ​アメリカ

 原 題: Oppenheimer

 配 給: ビターズ・エンド

​ 公式サイト:  https://www.oppenheimermovie.jp/

予告篇
bottom of page