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2026年 5月 20日 VOL.262

アメリカ撮影監督協会、コダックにカーティス・クラークASC技術功績賞を授与

第40回ASC賞授賞式に出席したコダックチーム。

アメリカ撮影監督協会(ASC)は、第40回ASC賞においてコダックにカーティス・クラークASC技術功績賞を授与しました。映画のストーリーテリングにおけるコダックの永続的な貢献と、フィルム技術における革新を称えてのことです。

世界の映像制作コミュニティで最も権威ある団体のひとつによって贈られるこの賞は、撮影監督たちとのコダックの長年にわたるパートナーシップと、急速に変化する業界におけるコダックの揺るぎない存在感を改めて示すものです。

撮影監督たちと共に築いてきた歴史

映画の黎明期から、幾世代にもわたる撮影監督たちがコダック フィルムを信頼し、深み、質感、そして感情を呼び覚ます物語を映像に刻んできました。今回のASCによる表彰は、コダックの歴史的な功績にとどまらず、インディペンデント映画から大手スタジオ作品まで、現在の映像制作においても同社が積極的な役割を果たし続けていることを浮き彫りにしています。

近年もコダック フィルムで撮影された作品がアカデミー賞撮影賞をはじめ、業界の最高峰の栄誉を継続的に獲得しています。こうした継続的な成功は、フィルムが物語を伝える力強い表現メディアであること、そしてコダックが世界中の映像作家たちに寄り添う存在であることに対する、映像クリエイターたちの揺るぎない信頼の表れです

映画用フィルムの技術革新を牽引

コダックはフィルムの未来に向けた投資を続けています。コダック VISION3フィルムの継続的な改良では、画質、一貫性、環境性能の向上に重点が置かれており、アナログ撮影が現代の制作ワークフローと共に進化し続けることを支えています。

こうした取り組みは、現代の制作環境においてフィルムを実用的かつ進化し続ける技術として維持・発展させていくというコダックの姿勢を示しています。

フォーマットとジャンルを超えたフィルムの復権

このASCからの栄誉は、フィルムが業界全体で再び勢いを取り戻している時期と重なります。独特の映像美、長期保存における安定性、そして没入感のある映画的な質感に魅了され、フィルムでの撮影を選ぶ映像作家が増え続けています。

コダックはこのフィルム回帰の流れを支えるべく、35mmや65mmで撮影される作品から、一部のデジタル撮影作品向けのリリースプリントまで、幅広いプロジェクトにフィルム素材を供給し続けています。こうした柔軟な対応により、映像作家たちは自らのクリエイティブなビジョンに最適なツールを選択できると同時に、フィルム本位の鑑賞体験を維持することができます。

映画の未来への揺るぎないコミットメント

カーティス・クラークASC技術功績賞は、コダックのこれまでの功績を称えるにとどまりません。映画のストーリーテリングの未来を切り開く上で、同社が今なお果たし続けている役割を改めて称えるものです。撮影監督、スタジオ、ラボ、そして興行主との緊密な連携を通じて、コダックはフィルムが創造的な選択肢として不可欠かつ手軽に利用できる存在であり続けるよう、引き続き尽力していきます。

映画を取り巻く環境が変化し続ける中、コダックは職人的な技、協業、そして観客の心を動かすフィルム固有の力を大切にするアーティストたちをこれからも支援し続けてまいります。コダックのカーティス・クラークASC技術功績賞受賞についての『American Cinematographer』(AC)誌 2026年2月号の記事の参考翻訳を以下に掲載します。

アメリカ撮影監督協会、業界の最高水準を確立してきた象徴的な企業、イーストマン・コダック社にカーティス・クラークASC技術功績賞を授与

文/ビル・デゾウィッツ

イーストマン・コダック社がカーティス・クラークASC技術功績賞を受賞するには、これ以上ないタイミングと言えるだろう。コダックフィルムで撮影された作品が2年連続でアカデミー賞撮影賞を受賞しており、ロル・クロウリー(ASC BSC)が撮影した『ブルータリスト』と、ホイテ・ヴァン・ホイテマ(ASC FSF NSC)が撮影した『オッペンハイマー』(AC誌2023年10月号)がその栄誉に輝いた。また、撮影監督のドリュー・ダニエルズは昨年のアカデミー賞作品賞受賞作『Anora アノーラ』(AC誌2024年12月号)をコダック 35mmフィルムで撮影している。

コダックはまた、映画館での上映体験を強化した、近年のラージフォーマット復興においても重要な役割を果たしている。この傾向を象徴するのが、今年のアカデミー賞撮影賞候補に挙がったマイケル・バウマン撮影の『ワン・バトル・アフター・アナザー』(AC誌2025年11月号)と、オータム・デュラルド・アーカポー(ASC)撮影の『罪人たち』(AC誌2025年6月号)だ。

コダックはこのほど、同社を代表するVISION3 映画用カラーネガフィルムを刷新し、環境に配慮した改良型アンチハレーションアンダーコート(AHU)を採用した。財務面では、モーション・ピクチャー部門の売上高が2023年以降35%増加しており、今年は35mmフィルム販売における大幅増加が見込まれている。

SF大作『インターステラー』の70mmプリント。撮影はホイテ・ヴァン・ホイテマ(ASC FSF NSC) (Photo by Tor Rolf Johansen.)

コダックによると、2025年には約200本の長編映画がフィルムで撮影されており、その中には本誌の校了時点でまだ撮影中だった作品も含まれている。現在公開中のタイトルとしては、ロビー・ライアン(BSC ISC)撮影の『ブゴニア』(AC誌2025年12月号)、シェイマス・マクガービー(ASC BSC)撮影の『DIE MY LOVE/ダイ・マイ・ラブ』(AC誌2026年2月号)、リヌス・サンドグレン(ASC FSF)撮影の『ジェイ・ケリー』、ダリウス・コンジ(ASC AFC)撮影の『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』(AC誌2026年1月号)、マセオ・ビショップ撮影の『スマッシング・マシーン』、ウィリアム・レクサー(ASC)撮影の『アン・リー/はじまりの物語』などがある。

昨年コダックは、デジタル撮影された長編映画のリリースプリント用にも35mmプリントフィルムを供給したが、その中にはダン・ラウステン(ASC DFF)撮影の『フランケンシュタイン』(AC誌2025年12月号)も含まれている。

映画の黎明期から20世紀半ばまで使用されていたナイトレートベースのフィルムストリップ

投資と拡大

「このASCからの特別な表彰は、今日におけるフィルムの重要性と存在意義を証明するものです」と、コダックのバイス・プレジデント兼モーション・ピクチャー部門責任者のヴァネッサ・ベンデッティは語る。「フィルムは映像によるストーリーテリングと映画館での体験に欠かせない存在であり、コダックはそのメディアを支え、発展させるために製造インフラと製品への投資を続けています。フィルムは業界の最高標準であり、映画制作において最も参照されるものとなっています。アーティストが最終的にフィルムで撮影するかどうかにかかわらず、多くの場合、彼らはフィルムの質感を目指しているのです」

イーストマン・コダック社の創業者ジョージ・イーストマンと発明家トーマス・エジソン

コダックのフィルム製造工場にて、技術者たちが露光不足で現像されたカラーネガの大判フィルムを検査している

映画用フィルムのスリッティングマシン

フィルムネガへの需要の高まりに対応すべく、コダックはラボサービスの拡充を進めており、他の企業もフォトケミカルのエコシステムへの再投資を行っている。「サービスが行き届いていない市場にラボを開設する業界パートナーを支援しています」とベンデッティは語る。「2026年半ばまでには、オーストラリアに少なくとも2つの新しいラボが開設される見込みです」

VISION3エマルジョンの最近のリニューアルについて、彼女はこう語る。「アンチハレーションアンダーコートには多くの銀が使われており、構造的にも決して単純ではありません。しかし(従来の)レムジェットは非常に扱いにくい素材でした。それに代わる方法を開発したコダックのフィルム設計チームの功績は目覚ましいものがあり、VISION3の改良にもつながっています。水の消費量とエネルギーの削減が可能になり、現像後もよりクリーンな結果が得られるようになります」(このVISION3リニューアルの詳細については、AC誌2025年9月号のTools of the Tradeを参照)。

監督のパブロ・ラライン(左端)と撮影監督のエド・ラックマン(ASC)(カメラ前)が『マリア』の撮影現場で準備をしている (Photo courtesy of Netflix.)

(左から)俳優・監督のブラッドリー・クーパー、撮影監督のマシュー・リバティーク(ASC LPS)、女優のケアリー・マリガン。『マエストロ:その音楽と愛と』の撮影現場にて (Photo courtesy of Netflix.)

ラージフォーマット

一方、コダックはラージフォーマット映画制作に対する観客の需要に応え続けている。「現在、私たちのビジネスは著しい成長を遂げており、撮影面だけでなく上映面でも大きなチャンスがあると感じており、大いに期待しています。特に70mmとIMAXにおいては、"イベント"としての上映に急成長が見られます。またIMAX社は、クリス・ノーランやライアン・クーグラーに対してそうしてきたように、同社のフィルムカメラによるフィルム撮影への支援を続けています。フィルムはIMAXの総上映規模のごく一部に過ぎませんが、同社にとって大きな興行収入をもたらしていると聞いています。だからこそ彼らにはフィルムを支援する動機があり、素晴らしいパートナーです」
 

​ただし、35mmや16mmのプロジェクトに対応しながら65mmフィルムを製造するうえでの課題もある。「例えば今年は、『オデュッセイア』、『デューン 砂の惑星 PART3』、そしてまだお話しできない別の作品の65mm撮影に対応するため、65mmフィルムの生産能力を2倍に増強しました」とベンデッティは語る。

2026年7月公開予定の『オデュッセイア』(訳注:日本公開は9月11日)では、クリストファー・ノーランとホイテ・ヴァン・ホイテマが初めてIMAXの次世代65mmカメラを使用した映像作家となった。また本作は、IMAX 65mmカメラのみで全編撮影された初の劇場公開作品となる。

「私たちはIMAXのカメラテストのためにフィルムを提供しており、必要に応じてIMAXのエンジニアが私たちのフィルム設計チームや製造チームと連携しています」とベンデッティは語る。「新しい65mm IMAXカメラの目的は、機材を拡充し、より多くの映像作家が使用できるようにすること、そしてカメラをより静粛で台詞収録に適した機材にすることだと思います。フィルム撮影に対する明確な需要があり、カメラの台数が増えることでそのニーズに応えやすくなります」

コダックのバイス・プレジデント兼モーション・ピクチャー部門責任者ヴァネッサ・ベンデッティ

リヌス・サンドグレン(ASC FSF)が撮影を担当し、2026年12月公開予定のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作『デューン 砂の惑星 PART3』では、一部のシーンを15パーフォIMAXおよび5パーフォ65mmで撮影しており、同シリーズ初のフィルム撮影となる。「リヌスは『デューン』を新しいAHUのストックで撮影しました」とベンデッティは付け加える。

「『オデュッセイア』は旧来のレムジェットのストックで撮影されました。65mmにAHUが導入される前に撮影が開始されたためです。

「IMAXであれ地域のラボであれ、カメラやフィルムワークフローへの投資を行う企業であれ、フィルムのエコシステムに関わるあらゆるものに対し、私たちは支援に努めています」

ビスタビジョンの復活

ビスタビジョンの復活もまた、映画鑑賞を特別なイベントとしている。昨年はポール・トーマス・アンダーソン監督の『ワン・バトル・アフター・アナザー』(AC誌2025年11月号)が、一部の主要都市市場でアップグレードされたビスタビジョン横走り映写機で上映された。今年はエメラルド・フェネル監督によるリヌス・サンドグレン撮影の『嵐が丘』と、アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督によるエマニュエル・ルベツキ(ASC AMC)撮影の『DIGGER ディガー』でも同フォーマットが使用される予定だ。『ブルータリスト』もビスタビジョンで撮影されている。「ビスタビジョンの映像が生み出す画像の忠実度と没入感が評価されていると思います」とベンデッティは語る。「加えて、映像作家たちは職人であり、自分たちのツールボックスを充実させたいと考えています」

ロビー・ライアン(BSC ISC)が『哀れなるものたち』のダンスシーンで女優エマ・ストーンと共にドリー撮影を行っている (Photo courtesy of Searchlight Pictures.)

「ビスタビジョンは、インフラ面での課題はありますが、今このフォーマットへの関心が非常に高まっているので、状況はさらに改善されていくと思います」と彼女は続ける。「フィルムというメディアはより有機的で触覚的であり、ビスタビジョンは映像作家たちがよく参照する往年の作品を想起させます。かつて使われていたのと同じツールを使いたいという願望は、まさにフィルムに有利に働いており、このメディアの維持と発展を後押ししています。そして何より、特にビスタビジョンで上映されたときのこのフォーマットの映像美は、他では到底再現できないものがあります!」

特記なき限り、画像提供:イーストマン・コダック社。

アカデミー賞での受賞歴

イーストマン・コダック社が受賞した数々の栄誉の中から、アカデミー賞に関する主な受賞歴を紹介する。

1930/31年(第4回)-科学技術賞(クラスI)
デュポン・フィルム・マニュファクチャリング社およびイーストマン・コダック社の共同開発によるスーパー センシティブ パンクロマティック フィルムの開発に対して。〔功績証明書、および受賞者名を刻んだ永久保存用のオスカー®像がアカデミーに保管される〕
 

​1931/32年(第5回)-科学技術賞(クラスIII)
イーストマン・コダック社のタイプII-B センシトメーターに対して。〔審査委員会報告書における優秀賞〕

1935年(第8回)-科学技術賞(クラスII)
イーストマン・コダック社によるイーストマン ポラ スクリーンの開発に対して。〔優秀賞証明書〕
 

1937年(第10回)-科学技術賞(クラスII)
イーストマン・コダック社による2種類のファイングレイン デュプリケーティング フィルムの開発に対して。〔優秀賞証明書〕

1949年(第22回)-科学技術賞(クラスI)
イーストマン・コダック社による改良型セーフティベース映画用フィルムの開発および導入に対して。〔オスカー®受賞〕

 

1952年(第25回)-科学技術賞(クラスI)
イーストマン・コダック社によるイーストマン カラーネガフィルムおよびイーストマン カラープリントフィルムの導入に対して。〔オスカー®受賞〕
 

1955年(第28回)-科学技術賞(クラスII)
イーストマン・コダック社によるイーストマン トライ-X パンクロマティック ネガフィルムに対して。〔表彰楯〕
 

1968年(第41回)-科学技術賞(クラスI)
イーストマン・コダック社による映画用カラーリバーサル インターメディエイト フィルムの開発および導入に対して。〔オスカー®受賞〕
 

科学技術賞(クラスII)
イーストマン・コダック社およびプロデューサーズ・サービス・カンパニーの共同開発による新型の高速ステップ オプチカル リダクション プリンターの開発に対して。〔表彰楯〕
 

科学技術賞(クラスII)
イーストマン・コダック社による新しい高感度映画用カラーネガフィルムの導入に対して。〔表彰楯〕
 

科学技術賞(クラスIII)
イーストマン・コダック社による新しいダイレクト ポジティブ フィルムの開発、およびコンソリデーテッド・フィルム・インダストリーズ社によるポストプロダクション用ワークプリント製作技術にこのフィルムを応用したことに対して。〔優秀賞証明書〕
 

1970年(第43回)-科学技術賞(クラスIII)
イーストマン・コダック社およびフォト・エレクトロニクス・コーポレーションによる映画現像所向け改良型ビデオ カラー アナライザーの設計および開発に対して。〔アカデミー表彰状〕
 

1977年(第50回)-科学技術賞(クラスII)
イーストマン・コダック社による映画用新型デュープリケーティング フィルムの開発および導入に対して。〔表彰楯〕
 

1978年(第51回)-科学技術賞(アカデミー功績賞)
イーストマン・コダック社による映画用デュープリケーティング カラーフィルムの研究および開発に対して。〔オスカー®受賞〕
 

1987年(第60回)-科学技術賞(科学エンジニアリング賞)
イーストマン・コダック社によるイーストマン カラー ハイスピード デーライト ネガフィルム 5297/7297の開発に対して。〔表彰楯〕
 

科学技術賞(科学エンジニアリング賞)
イーストマン・コダック社によるブルースクリーン トラベリング マット撮影用イーストマン カラー ハイスピード SA ネガフィルム 5295の開発に対して。〔表彰楯〕
 

1988年(第61回)-名誉賞
映画史の最初の一世紀(100年)における映画芸術への多大なる貢献を称え、イーストマン・コダック社に贈られる。〔オスカー®受賞〕
 

1990年(第63回)-科学技術賞(アカデミー功績賞)
イーストマン・コダック社によるT-粒子技術の開発、およびこの技術を採用したEXRカラーネガフィルムの導入に対して。〔オスカー®受賞〕
 

1994年(第67回)-科学技術賞(アカデミー功績賞)
イーストマン・コダック社によるイーストマン EXR カラー インターメディエイト フィルム 5244の開発に対して。〔オスカー®受賞〕
 

2007年(第80回)-科学技術賞(アカデミー功績賞)
イーストマン・コダック社によるコダック VISION2 カラーネガフィルムに採用された写真乳剤技術の開発に対して。〔オスカー®受賞〕
 

─ 以上、イーストマン・コダック社提供のリストより編集

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