
2026年 7月 3日 VOL.268
撮影監督ウィリアム・レクサーがモナ・ファストヴォールド監督作『アン・リー/はじまりの物語』をコダックで撮影し、18世紀のユートピアを求める人々の恍惚と苦悩を描く

『アン・リー/はじまりの物語』のアマンダ・セイフライド Photo courtesy of Searchlight Pictures. Ⓒ 2025 Searchlight Pictures All Rights Reserved.
撮影監督ウィリアム・レクサー(ASC)は、モナ・ファストヴォールド監督作『アン・リー/はじまりの物語』をコダックの35mmフィルムで撮影し、18世紀にユートピアの建設を目指した人々の恍惚と苦悩を描き出しました。
監督を務めたファストヴォールドは、数々の賞を受賞した『ブルータリスト』(2024、撮影監督ロル・クロウリー(BSC ASC))の共同脚本に参加したクリエイティブパートナーのブラディ・コーベットと共に『アン・リー/はじまりの物語』の脚本を書きました。本作は不屈の精神を持つシェーカー教団の創始者であり指導者でもあったアン・リー(1736~1784)の波乱に満ちた人生を描いた作品です。
1700年代半ばの史実に基づき、振り付けを取り入れたミュージカルとして描かれる本作は、サーチライト・ピクチャーズ配給作品です。イギリス・マンチェスターの貧しい家庭で育ったリーの幼少時代から、精神的な覚醒や強烈な幻視を経験し、やがて信徒たちから地上におけるイエス・キリストの化身として受け入れられるまでの歩みを描いています。

『アン・リー/はじまりの物語』のアマンダ・セイフライドと共演者たち Photo by Searchlight Pictures/William Rexer, Courtesy of Searchlight Pictures. Ⓒ 2025 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.
マザー・アンとして知られる彼女は、魔女として迫害を受け、ごくわずかな信徒たちとともに迫害を逃れてアメリカへ渡ります。その目的は、平等、平和主義、独身主義、そして専制支配の否定という理念に基づく、急進的なユートピア共同体を築くことでした。熱狂的な礼拝では、激しく身体を震わせながら歌い踊ることが特徴で、その姿から彼らは「震えるクエーカー教徒(Quakers who Shake)」、すなわち「シェーカー」と呼ばれるようになります。。『アン・リー/はじまりの物語』では、シェーカー教団に伝わる12曲以上の伝統的な賛美歌が、躍動感あふれる振り付けによって新たに再構築されています。
2025年のヴェネチア国際映画祭では70mmフィルムプリントでプレミア上映され、アマンダ・セイフライドの渾身の演技は各メディアから最高評価となる5つ星を獲得しました。さらに、ゴールデン・グローブ賞とクリティクス・チョイス・アワードでは主演女優賞にノミネートされています。また、ファストヴォールド監督の演出と、レクサーが35mmフィルムで捉えた、豊かな色彩と息をのむ美しさを備えた絵画的な映像表現も高く評価されました。
レクサーはこれまでにも、ファストヴォールド監督とApple TV+の心理スリラーシリーズ『クラウデッド・ルーム』(2023)や『ロング・ブライト・リバー』(2024)の複数エピソードで仕事を共にしてきました。いずれもアマンダ・セイフライドが主演を務めています。レクサーは次のように語ります。「モナとアマンダ、そして私は、本作の撮影を始める前からすでに強い信頼関係で結ばれていました。それは、この作品の制作を進めるうえで大きな強みになりました」
「本作については、『クラウデッド・ルーム』で一緒に仕事をしていた頃、モナが何気なく私に話してくれたのが始まりです。その約1年後の2024年1月、私たちはアマンダとともに作品の実現可能性を示し、資金調達につなげるため、ニューヨーク州北部でコダックの35mm 3パーフォレーションを使って2日間にわたるティザー撮影を行いました。そして、その短編映像で撮影したカットのほぼすべてが、そのまま本編で使用されています」

『アン・リー/はじまりの物語』の撮影現場にて、モナ・ファストヴォールド監督(左)と撮影監督ウィリアム・レクサー(ASC) Photo courtesy of Searchlight Pictures. Ⓒ 2025 Searchlight Pictures All Rights Reserved.
「私は音楽とミュージカルが大好きで、そうした環境の中で育ちました。父はボードビルのタップダンサーであり、舞台プロデューサーでもありました。母は若者向けのミュージカルを上演する劇団を運営していました。私が最初に就いた仕事は、スピナーズやアース・ウインド&ファイアーの公演で、ピンスポットのオペレーターを務めることでした」
「私はこれまで数多くのミュージックビデオで撮影監督を務め、またバズ・ラーマンとともにミュージカルTVシリーズ『ゲットダウン』(2016)の全11話を手がけました。しかし、本作は一般的なミュージカル作品とも、伝統的なミュージカル作品ともまったく異なるものでした。ここで描かれる音楽は礼拝から生まれるものであり、見世物としてのスペクタクルではなく、宗教的・精神的な体験そのものなのです。だからこそ、従来の表現からどう離れ、この物語をどのような映像で語るべきかを考えることは、非常に刺激的な挑戦でした」
レクサーは、本作の初期段階でファストヴォールド監督と議論を重ねるなか、映像表現の方向性を固めていったと説明します。「私たちがたどり着いたのは、映像そのものが、好奇心に満ちた観察者として物語を見つめ、やがてアン・リーの物語へ能動的に入り込んでいくような視覚言語でした」

『アン・リー/はじまりの物語』のメイキング写真(撮影:バラージュ・グローディ) Photo courtesy of Searchlight Pictures. Ⓒ 2025 Searchlight Pictures All Rights Reserved.
「私たちは、カメラが最初は一歩引いた観察者の視点から始まり、物語が進むにつれて熱心な信徒へと引き込まれ、やがてシェーカー教団の体験そのものの一部になっていくような表現を目指しました」と彼は語ります。「モナはまた、ろうそくの灯りや質感、そして明暗法(キアロスクーロ)が生み出す雰囲気を通して、観客を1700年代の世界へ没入させると同時に、アン・リーを取り巻く神秘性を映像の中に反映したいと考えていました」
さらにレクサーは熱を込めて語ります。「本作を35mmフィルム以外で撮影するという選択肢は、まったくありませんでした。ブラディと同様、モナもフィルムに強いこだわりを持っています。その最大の理由は、観客を映画ならではの体験へと没入させたいということ、そして人々が日常的に目にしている映像とは一線を画す作品を作りたいと考えているからです」
「それを実現する最も手軽で確実な方法が、セルロイド(フィルム)で撮影することです。フィルムには、観る人の心を別の時代や場所へと運ぶ力があります。私はフィルムで撮影された映像を見るたびに、心の奥底で“どこか別の世界へ連れて行かれる”と感じるのです」

『アン・リー/はじまりの物語』のメイキング写真(撮影:バラージュ・グローディ) Photo courtesy of Searchlight Pictures. Ⓒ 2025 Searchlight Pictures All Rights Reserved.
レクサーが過去にフィルムで手掛けた劇映画作品には、『Prime』(2005)、『ブリタニー・マーフィ in 結婚前にすべきコト』(2006)、『セックス・アンド・ザ・バディ』(2007)、『Fierce People』(2007)、『Purple Violets』(2007)、『New York 結婚狂騒曲』(2008)があります。
「私は多くのコマーシャルやミュージックビデオをフィルムで撮影してきましたが、35mmフィルムで長編の劇映画を手掛けたのはかなり久しぶりのことでした。それでも不安はまったくなく、むしろ胸が躍りました。私はフィルムで撮影する一連のプロセスが大好きなのです。フィルムという媒体の貴重さを理解し、敬意を払うこと。撮影現場で俳優と監督が真剣に対話を重ねること。カチンコを打つ儀式のような所作や、ラッシュをスタッフ全員で一緒に観る体験。フィルム撮影には、そうした伝統があり、それ自体が一つの宗教のようなものなのです」
さらにレクサーはこう振り返ります。「私はそれまで、シェーカー教団やシェーカー運動について、シンプルで実用的な木工品や家具の伝統があるということ以外、ほとんど何も知りませんでした。プリプロダクションでは、モナとプロダクション・デザイナーのサム・ベイダー、そして私の3人で、マサチューセッツ州ピッツフィールドにあるハンコック・シェーカー・ビレッジを6回ほど訪れました。また、多くの週末をモナの自宅のキッチンテーブルで過ごし、シェーカー教団について書かれた本を読み、伝統的なシェーカー賛美歌に耳を傾けました。まるで大学時代に戻ったように、徹底的に勉強したのです」

『アン・リー/はじまりの物語』より、(左から)ステイシー・マーティン、スコット・ハンディ、ヴィオラ・プレティジョン、ルイス・プルマン、アマンダ・セイフライド、マシュー・ビアード、トーマシン・マッケンジー Photo courtesy of Searchlight Pictures. Ⓒ 2025 Searchlight Pictures All Rights Reserved.
レクサーは、ファストヴォールド監督とともに、さまざまな芸術作品から映像表現の着想を得たと語ります。映画では、農民たちの素朴な暮らしを情感豊かに描いたイタリア・ネオレアリズモの傑作『木靴の樹』(1978、監督・撮影監督:エルマンノ・オルミ)を参考にしました。また、バロック絵画、とりわけカラヴァッジョ(1571~1610)が光を劇的に用いて人間の身体と感情を描き出す手法にも大きな影響を受けています。さらに、デンマークの画家ヴィルヘルム・ハマスホイ(1864~1916)の抑制された色調の肖像画や室内画は、本作のプロダクション・デザインだけでなく、撮影のルックにも大きな示唆を与えました。
レクサーはさらに、オーストラリアの現代美術写真家ビル・ヘンソンの作品からも着想を得たといいます。とりわけ参考にしたのは、レンブラントを思わせる低照度の写真群です。暗い背景の中からバレリーナの顔だけがほのかに浮かび上がり、その繊細で内に秘めた感情を映し出した作品に強く惹かれました。
『アン・リー/はじまりの物語』の主要な撮影は、2024年8月から9月下旬にかけて、ハンガリー各地のロケーションと複数のスタジオに建設されたセットで、計34日間にわたり行われました。その後、マザー・アンと信徒たちがアメリカへ向かう大西洋横断のシーンを、スウェーデンで2日間かけて撮影しています。さらに11月には、ハンコック・シェーカー・ビレッジを含むアップステート・ニューヨークとマサチューセッツ州で5日間の撮影が行われました。また、伝統的な映画制作の真正性を重視する方針に沿って、背景プレートはロンドンのMattes & Miniatures Visual Effects社に所属するマットアーティスト、レイ・トゥックによって手描きされています。

『アン・リー/はじまりの物語』のアマンダ・セイフライドとルイス・プルマン Photo courtesy of Searchlight Pictures. Ⓒ 2025 Searchlight Pictures All Rights Reserved.
レクサーは、自らが「テンポの速い撮影」と表現する制作スタイルを支えるため、iPhoneの「Artemis Directors' Viewfinder」アプリを使用し、本作のすべてのシーンを事前に視覚化していました。
「動画だけでなく、すべてのシーンについて最初と最後のフレームを静止画として書き出し、それを印刷してモナのオフィスの壁に貼り出しました。そうすることで、スタッフ全員が何を撮影するのか、何を撮影しないのか、さらに必要なセットデコレーションまで事前に共有できたのです。限られた予算とわずかな撮影期間のなか、この方法によって、本当に必要なところへ効率よくリソースを投入することができました」
レクサーは本作をアスペクト比1:2.39でフレーミングし、ARRICAM LTとARRICAM STの35mmカメラ、そしてスローモーションのシーンはARRIFLEX 435を使って撮影しました。レンズはすべてSIGMAのCineシリーズとClassicシリーズを装着しています。このカメラパッケージは、ハンガリーのVantage Vision社とARRIニューヨークから提供されました。

『アン・リー/はじまりの物語』の撮影現場にて、モナ・ファストヴォールド監督(右)とキャスト、スタッフ Photo courtesy of Searchlight Pictures. Ⓒ 2025 Searchlight Pictures All Rights Reserved.
「ハンガリーへ向かう前に、私たちはニューヨークで振付師セリア・ロールソン=ホールとともに約3か月間、ダンスのリハーサルを重ねました。しかし、その時点では、作品のアスペクト比についてはまだ最終決定していませんでした」とレクサーは語ります。
「自分のiPhoneでArtemis Directors' Viewfinderを使い、さまざまなアスペクト比を何度も試した結果、1:2.39が物語を視覚的に伝えるのに最適の比率だと分かりました。カメラが観察者として物語を見つめ、やがて能動的な参加者へと変化していくという映像表現を実現できるだけでなく、ダンスシーンを最も効果的に捉えることもできました」
「レンズに関しては、CookeやZEISS、Vantage、Leitz、SIGMAなど幅広い種類のレンズをブラインドテストしました。小型のブックライトでアマンダを前方から照らし、背景には一面にロウソクを配置しました。さらに、4000ケルビンに設定したARRIのスカイパネルをバックライトとして加えています」

『アン・リー/はじまりの物語』のアマンダ・セイフライドとルイス・プルマン Photo courtesy of Searchlight Pictures. Ⓒ 2025 Searchlight Pictures All Rights Reserved.
「私たちはさまざまな焦点距離のレンズを試して、彼女の顔がどのように描写されるか、また前景と背景の分離具合、ベイリンググレアの出方、ロウソクのボケ味がどれだけ自然で美しいかも細かく確認しています。そして、最終的にこの勝負を制したのがSIGMA CineシリーズとSIGMA Classicシリーズでした」
撮影では、日中の屋外/屋内シーンについてはコダックVISION3 250Dカラーネガティブフィルム5207を、低照度/夜間シーンは500T 5219を使用しました。そしてフィルムの現像、2Kデイリースキャンと4Kセレクトスキャンは、ブダペストのFocus-Fox Studio内にあるラボで行われました。
「これら2種類のコダックフィルムは、私たちが撮影したさまざまな照明環境 ― 屋外の自然光、そして屋内の自然光・炎・ロウソクの光が混ざり合った照明 ― の中で、私たちが求めていた絵画のようなルックやフォールオフを見事に実現してくれました」

『アン・リー/はじまりの物語』のメイキング写真(撮影:バラージュ・グローディ) Photo courtesy of Searchlight Pictures. Ⓒ 2025 Searchlight Pictures All Rights Reserved.
「私は250Dの粒子を本当に気に入っていて、屋外撮影のほとんどはこのフィルムを使用しています。また、500Tはラチチュードと粒子が素晴らしく、低照度の暗いシーンや夜間のシーンで力を発揮してくれました」
「500Tには、露出の限界を攻め、本当にうまく写るだろうかと思うような状況でも、いつも良い意味で驚かされます。そしてラッシュを確認すると、“なんてことだ、本当に魔法が起きた”と思う瞬間があるのです」
「本作は世界中の映画祭やプレミアで70mmプリント版が上映される予定だったため、ラボではノーマル現像にしました。増感による粒子の変化は好きなのですが、70mmのプリントを作るのに必要な何段階もの工程でコントラストが増すと思ったので、それを少しでも軽減したいと思ったのです。ですので増感現像を行ったのは、ロウソクの光だけで撮影した、アマンダにゆっくりズームインする最初の宗教集会の長回しのシーンにとどめています。それ以外はノーマル現像です」

『アン・リー/はじまりの物語』のメイキング写真(撮影:バラージュ・グローディ) Photo courtesy of Searchlight Pictures. Ⓒ 2025 Searchlight Pictures All Rights Reserved.
ダンスシーンで2台のカメラを使用した場面を除き、『アン・リー/はじまりの物語』は主にシングルカメラ体制で撮影されました。カメラオペレーターは撮影期間の大半を通してサム・エリソンが務め、ハンガリーでの撮影ではジェルジ・ホルヴァートがフォーカスプラーを担当しています。撮影スケジュールを円滑に進めるため、エリソンはブラディ・コーベットが演出するセカンドユニットの撮影を任されることもあり、その間はレクサー自身がメインユニットのカメラオペレーションを担当しました。また、アメリカでの撮影では、ジョン・ラーソンが第1アシスタントカメラを務めています。
レクサーは、より親密なシーンでは自らカメラを操作し、クルーも最小限に抑えることで目立たない撮影体制を整えました。「モナとアマンダ、そして私は、そうしたシーンについて撮影に入るずっと前から十分に話し合っていました。俳優が安心して演技に臨めるよう、撮影時は部屋に入るスタッフをごく少人数に限定することにしたのです」
本作を通して、カメラは常にマザー・アンと行動を共にしています。そして最大の課題は、とりわけダンスシーンにおいて、加わりたいという思いを抱きながらも一歩引いて見守る観察者として、どのように彼女たちの輪の中へ入り込むかということでした。

『アン・リー/はじまりの物語』のメイキング写真(撮影:バラージュ・グローディ) Photo courtesy of Searchlight Pictures. Ⓒ 2025 Searchlight Pictures All Rights Reserved.
「それを実現する唯一の方法が手持ち撮影でした」とレクサーは語ります。「サムと私は、ニューヨークで何度もリハーサルを重ね、Artemis Directors' Viewfinderを使ってカメラの動きやタイミングを綿密に設計しました。彼は長身で、ダンスシーンの撮影経験も豊富です。演者たちの間を巧みに動き回りながら撮影することに非常に長けていました」
「実際にハンガリーのロケ地で撮影が始まると、サムは私たちが思い描いていた映像を見事に形にしてくれました。手持ち撮影では、肩に載せたステディバッグでカメラを支えながら操作することが多かったですね。また、ジブアームを使ってカメラをダンサーたちの頭上へ持ち上げる俯瞰のアングルも撮影しました。集会に集う人々が、まるで一つの巨大な生命体のように見えてくる様子を表現するためです」
ハンガリーではゾルターン・ゲッコー・クリストフィがガファー(照明技師)を務め、スウェーデンでの撮影ではジョナス・エルムクヴィストが照明を担当しました。さらにアメリカでの撮影では、スコット・ラムジーがその役割を引き継いでいます。
「この作品の90パーセントは、昔ながらのタングステンライトを照明に使いました。10Kと20Kのフレネルライトと5Kと10Kのモールビームを組み合わせ、約3,000ケルビンで、窓から差し込む日の光のような感覚を作り出しています。また、より青みがかった冷たい印象の日光を表現する際は、LEDのライトギアライトマットとARRIのスカイパネルXを加えて4,000から5,000ケルビンに設定しました」

『アン・リー/はじまりの物語』の撮影現場にて、撮影監督ウィリアム・レクサー(ASC) Photo courtesy of Searchlight Pictures. Ⓒ 2025 Searchlight Pictures All Rights Reserved.
「グレーディングをしていると、タングステン光が持つスペクトル、とりわけフィルム撮影では、その特性によってセットの色彩をより忠実に再現し、肌の色も自然に描写してくれることを実感します。また、さまざまな肌色の人物が登場する場面でも、それぞれの肌色を一貫した自然な印象に仕上げやすいのです」
レクサーは本作を振り返り、こう締めくくります。「本作は低予算でありながら、非常に大きな志を持った作品でした。しかし、私のチームは期待以上の働きを見せてくれました。作曲家のダニエル・ブルームバーグは撮影現場にも参加し、後に劇伴となる楽曲を流して、キャストやスタッフの気持ちを高め、作品の世界へ集中できる雰囲気を作ってくれたのです。作曲家が撮影現場にいること自体、とても珍しいことですが、その効果は非常に大きなものでした」
「私はモナと仕事をするのが大好きです。彼女はアン・リーのように、人々を鼓舞し、並外れたことを成し遂げる力を引き出してくれます。そして、彼女の作品をフィルムで撮影できたことは、撮影監督としての私のキャリアの中でも、最も誇らしい経験の一つとなりました」
『アン・リー/はじまりの物語』
製作年: 2025年
製作国: アメリカ/イギリス
原 題: The Testament of Ann Lee
配 給: ウォルト・ディズニー・ジャパン
公式サイト: https://www.searchlightpictures.jp/movies/annlee